2011/01/14 国交省/09年度の総合評価方式実施状況/非落札者との得点差が拡大傾向

【建設工業新聞 01月 14日 記事掲載】

 国土交通省は、09年度発注の直轄工事(一般土木、アスファルト舗装、PC、鋼橋上部工)の入札に採用された総合評価方式の実施状況をまとめた。標準I型とII型の評価項目の中で、「技術提案」に次いで採用率が高かったのは「企業の施工能力」と「配置予定技術者の能力」。標準II型では「地域貢献の実績」と「地理的条件」の採用率も高く、工事の品質確保に加えて地域建設業への配慮を重視する傾向がみられた。落札者の得点率(各評価項目に対する得点の割合)の平均値をみても、「地理的条件」などの評価項目で落札者と非落札者の得点に差が出ていた。
 
 
 標準型の評価項目の採用状況をみると、I型、II型とも「技術提案」が100%で、次いで採用率が高かったのは「企業の施工能力」と「配置予定技術者の能力」の二つ。簡易型で採用率が高かったのは「企業の施工能力」と「配置予定技術者の能力」でほぼ100%。次いで「地域貢献の実績」も高かった。落札者と非落札者で得点率に差がついた評価項目は、標準I型が「技術提案」「地理的条件」「地域貢献の実績」の順、標準II型は「地理的条件」「地域貢献の実績」「技術提案」の順だった。簡易型では「地理的条件」と「簡易な施工計画」(実績重視型を除く)で差がついていた。
 
 
 標準I型の「技術提案」の平均得点率をみると、08年度が落札者58・5%、非落札者40・2%で、その差が18・2ポイントだったのに対し、09年度は落札者69・8%、非落札者40・4%で差は29・3ポイントに開いた。標準II型の「地理的条件」の平均得点率は、08年度が落札者77・4%、非落札者55・6%で、21・8ポイント差だったが、09年度は落札者83・5%、非落札者46・9%と、差は36・5ポイントに広がった。
 
 
 全国8地方整備局が09年度に総合評価方式で発注した工事は計1万1127件。総発注件数に占める割合は99・2%となっている。タイプ別では、簡易型が6737件、標準型(I型、II型)が4384件、高度技術提案型が6件だった。

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