2011/01/19 大畠章宏国交相が就任会見/必要な公共事業に手当て/地方建設業向け施策に意欲

【建設工業新聞 01月 19日 記事掲載】

 菅第2次改造内閣で経済産業相から就任した大畠章宏国土交通相は18日、日刊建設工業新聞など建設専門紙各社と就任記者会見し、公共事業の今後の見通しについて「(将来的に)予算は減るかもしれないが、国民の暮らしを支えるためにはきっちりと手当てする」と述べ、必要な公共事業に有効に予算を充てる考えを示した。今後の建設産業政策については、厳しい経営環境にある地方建設業向けの施策が必要とした上で、地域建設業が住宅の耐震診断・工事などを受注しやすい環境整備の検討も必要だとの認識を示した。
 
 
 大畠国交相は、今後の公共事業のあり方について「道路や橋梁、学校などの構造物、建物は年月が経過すると必ず劣化する。都道府県道や市町村道でも老朽化が進んでいると聞いている」と指摘した上で、「これらを計画的に取り替えることは当たり前。国交省の年間予算は少なくなり、今後の予算も減るかもしれないが、国民の暮らしを支えるには(これらの事業に)きちっと手当てしなければならない」と述べた。
 
 
 建設産業の再生戦略を検討する有識者会議が今月6日にまとめた基本方針の推進については「これから基本方針に従い、具体的な施策を打ち出すための検討に入る」とした上で、「建設産業に従事する人々が誇りを持って仕事に励める仕組みをつくらなければいけない」と施策づくりに意気込みを示した。さらに地方建設業の厳しい経営環境にも言及。地域業者が受注できるようにするための対策が必要との考えを示し、地方で個人住宅や公共構造物の耐震化の取り組みを加速する動きが出てくる中で「耐震診断や耐震工事が地域社会の活性化に寄与するような努力をしたい」と述べた。
 
 
 今後の住宅政策については、内需拡大策としての住宅着工件数の引き上げに積極的に取り組む考えを表明した。経済の先行き不透明感が着工低迷に影響していることを踏まえ、住宅エコポイントや関連融資の金利引き下げ策の延長・拡充などで新築需要を喚起する一方で、リフォーム市場を重視する考えも強調し、「住宅のリフォーム、バリアフリー化を考える人たちと、地域の建設業者を、自治体などを間に挟みながらマッチングする仕組みも作りたい」と意欲を示した。

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