2011/03/17 国交省/被災工事・業務の支払い、出来高で10年度内に/損害確認手続き簡素化

【建設工業新聞 03月 17日 記事掲載】

 国土交通省は、東日本大震災で被災した施工中の直轄工事・業務(営繕工事、港湾工事と空港工事を除く)に関する出来高の確認と支払い方法の取り扱いを決め、15日付で東北地方整備局、関東地方整備局、北海道開発局の関係部署に通知した。被災によって本年度内に完成する見込みがなくなった工事については出来高と品質が確認できた部分を本年度に支払い、残り(やり直し分も含む)を翌年度の完成時点で支払う。本年度内に完成する工事は通常の支払いとする。損害確認の手続きを簡素化し、被災企業の資金繰りに配慮する。
 
 
 被災前の工事の出来高は受注者が提出する被災前の工事出来形内訳書と実施工程表付き履行報告書で確認し、被災前の業務の出来高は業務計画書と履行状況などの資料で確認する。損害状況については、工事が施工計画書、実施工程表、損害の状況写真の3点、業務が業務計画書と履行状況などの資料でそれぞれ確認する。大震災で被災した企業の厳しい資金繰り状況などを勘案し、通常の現地での確認作業などを省き、手続きを簡素化することで受注者への迅速な支払いにつなげる。
 
 
 支払いは、被災したが本年度内に完成する工事は通常の支払いとする一方、被災で本年度内に完成する見込みがなくなった工事については、▽本年度の出来高を年度内に支払い、残りを繰り越す▽すべてを繰り越す-の二つの方法を取る。すべてを繰り越す場合は翌年度の完成した時点で支払いを行う。
 
 
 年度内に完成する見込みがなくなった工事のうち、中間前払い以外(前金払いまたは出来高部分払い方式)の工事については、受注者と発注者間で契約時に交わした部分払いの回数を変更。出来高と品質を確認した上で、本年度分の出来高に対して支払いを行い、残りは翌年度の完成時点で支払う。中間前金払いの工事については既済部分払いができる特例を活用して同様の手続きとなる。国債工事についても同様に取り扱う。

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