2011/03/30 11年度予算が成立/公共事業費4%減/関係法案はめど立たず

【建設工業新聞 03月 30日 記事掲載】

 公共事業費が前年度比約4%減(4兆6556億円)とされた国の11年度予算が29日、成立した。これを受けて政府は、東日本大震災の復旧・復興に向けた11年度補正予算案の編成や、被災地支援の特別立法の制定に全力を挙げる方針だが、11年度予算に盛り込んだ一部事業の執行に必要となる関連法案の国会審議は止まったまま。震災への対応では与党に協力した野党も、慎重な姿勢を崩しておらず、11年度予算が計画通りに執行されるかどうかは不透明な状況にある。
 
 
 11年度予算は29日に参院予算委員会と本会議で野党の反対多数で否決された後、両院協議会を経て、憲法の衆院優越規定に基づき成立した。これにより国土交通省分の予算案(国費ベース)は総額5兆0010億円(前年度比10%減)となることが確定した。災害復旧等を含む公共事業関係費は4兆2796億円(12%減)となる。
 
 
 国交省分の公共事業関係費の内訳は、治山治水が5909億円(4%減)、道路整備が9862億円(増減なし)、港湾空港鉄道等が3372億円(11%減)、住宅都市環境整備が4771億円(5%減)、公園水道廃棄物処理等が443億円(48%減)など。国交省が所管分野の成長戦略に盛り込んだ道路、河川、港湾、空港、建築・まちづくりなどの各種施策に重点投資する。
 
 
 ただ、予算が成立しても事業執行に必要な関係法案が成立しなければ事業の執行は事実上行えない。今国会に国交省が提出している11年度予算関連法案は、都市再生特別措置法や高齢者居住安定確保法の改正案など8件で、現時点で成立する見通しは立っていない

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