2011/04/04 政府/公共事業費など5%分の執行留保/震災被災地に重点配分

【建設工業新聞 04月 04日 記事掲載】

 政府は1日の閣議で、11年度予算に計上した公共事業費と施設整備費のうち、5%分の執行を留保することを決めた。東日本大震災の被災地復旧・復興財源を確保するのが目的。11年度の公共事業費は前年度比5・1%減の5兆4799億円(地域自主戦略交付金などの創設に伴う移行分を含む)、施設整備費は4000億円程度で、5%の執行留保によって3000億円程度の復旧・復興財源を確保できることになる。
 
 
 大畠章宏国土交通相は閣議後の記者会見で、公共事業費などの一部執行留保について、「全体的に5%ぐらいの予算執行を仮止めし、復興のための予算に振り向けることも含め今後検討するという指令だ。国交省としてもそのようなことで臨んでいきたい」と表明。その上で、執行留保となる事業について「いろいろな事業があるが、緊急性がないものは留保しておくということになると思う」との考えを示した。
 
 
 既に決定している各事業への予算配分(個所付け)の取り扱いについては「(地震が起きた)3月11日以前の状況で考えてきたため、個所付けは個所付けとして基本的には執行できる体制を取るが、留保すべきところは別立てで考えていきたい」と述べた。執行留保の影響については、「地震や津波に強い国土づくりを行うことは私たちの責務だ。今回の5%の留保は留保としながらも、復興のための補正予算の中で災害に強い国土づくりができるようにやっていきたい」と強い決意を示した。
 
 
 政府が被災地復興のために検討に入っている11年度補正予算案については、甚大な被害を受けている道路や港湾、河川の補修や復旧事業のほか、地盤が沈下した土地の復旧事業などを加えるよう求めていく方針を示した。このほか大畠国交相は、被災地の復興に向けて国交省内に三井辨雄副大臣をトップとする復興チームを立ち上げ、「復興チームを通して国交省の考え方を政府全体の対策に織り込むようにしたい」と強調した。

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