2011/04/27 建設経済研/11年度建設投資見通し/8・3%増42兆円、復興需要で上方修正

【建設工業新聞 04月 27日 記事掲載】

 建設経済研究所が26日発表した建設投資見通しによると、11年度の名目建設投資は前年度比8・3%増の42兆2500億円の見込みだ。東日本大震災の復旧・復興対応の政府建設投資の増加を見込み、前回予想から2兆0400億円の上方修正となった。建設投資額が40兆円を回復するのは2年ぶりだが、復興需要は東日本が中心で、それ以外の地域の建設産業は一段と厳しい経営環境になる可能性もあるとみている。
 
 
 11年度の建設投資見込みの内訳は、政府建設投資16兆6600億円(前年度比18・1%増)、民間住宅投資14兆4200億円(4・3%増)、民間非住宅建設投資11兆1700億円(0・7%増)。政府建設投資の内訳は、建築投資2兆0400億円(1・5%増)、土木投資14兆6200億円(20・8%増)。
 
 
 11年度予算については、ゼロ国債の影響などを加味した11年度公共事業関係費の実質的な伸び率を前年度比6・0%減、地方単独事業費の伸び率を4・6%減と設定。政府が11年度に編成する補正予算の全体額を10兆円と想定。東日本震災の被害額が16兆~25兆円と見込まれ、阪神大震災(10兆円超)の2倍以上と予測されることや、阪神大震災後初の補正予算が2・1兆~2・2兆円規模だったことから、10兆円のうち5兆円が公共事業に充てられると推計した。仮設住宅建設費やがれき処理費は含んでおらず、政府建設投資は最終的に増加する可能性もある。
 
 
 住宅、非住宅はともに震災の影響で年度前半は停滞するが、社会情勢が落ち着いた後半からは回復基調に移ると見込む。住宅着工の内訳は持ち家30・8万戸(7・5%増)、貸家29・3万戸(0・5%増)、分譲22・8万戸(6・6%増)。民間非住宅建設投資の内訳は建築投資7兆0400億円(0・8%減)、土木投資4兆1300億円(3・5%増)。建築投資を着工床面積で見ると、事務所が532・9万平方メートル(17・3%増)、店舗が652・8万平方メートル(13・0%増)、工場が710・2万平方メートル(12・0%増)、倉庫が473・9万平方メートル(17・0%増)となっている。

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