2011/07/06 政府/2次補正予算案を閣議決定/原発事故対応に2754億円、二重ローン対策も

【建設工業新聞 07月 06日 記事掲載】

 政府は5日、11年度第2次補正予算案を閣議決定した。東日本大震災の追加的な復旧対策を中心に盛り込み、財政支出額は1兆9988億円。東京電力福島第1原子力発電所事故の賠償負担を含めた事故対応に2754億円、被災地の「二重ローン対策」に774億円、復旧・復興予備費に8000億円、被災自治体が自由に使える地方交付税交付金に5455億円を充てる。政府は15日に国会に提出し、今月中の成立を目指す。
 
 
 原発事故対応では、損害賠償のための国の負担金1200億円を計上。建設・不動産分野については、原子力損害賠償紛争審査会の専門委員会が現在検討を進めているリース会社からの建設機械の買い取り請求への対応や、放射線量が比較的高い地域で活動する企業や労働者に対する補償の扱いなどに充てられる見通しだ。
 
 
 二重ローン対策では、被災した中小企業が抱える旧債務の利子補給に184億円、中小企業基盤整備機構や民間企業などが出資する「中小企業再生ファンド」に1億円をそれぞれ計上した。焦点になるのは、被災中小企業の再生を強力に後押しするため、債権の買い取りや新規融資などを実施する「中小企業再生ファンド」の仕組み。民主党は、中小企業庁が保有する既存の「中小企業再生ファンド」を活用して対応する考えだが、自民党などは既存スキームでは支援が不十分だとして、新たな法律に基づく新ファンドの創設を求めている。
 
 
 さらに支援スキームに関しても、民主党は、再建企業が再生した後にファンドから旧債務を買い取る形を想定しているが、自民党などはファンド自体が旧債務を引き取り、再建企業にはその後の負担を求めない形を主張。8日に与野党で旧債務の整理プロセスを協議し、詳細を詰める。このほか、使途を定めない復旧・復興予備費を活用して被災地の財政需要に柔軟に対応する。

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