2011/09/27 H24総合評価方式 技術者ヒアリング導入へ動き出す

 国土交通省は9月26日「総合評価方式の活用・改善等による品質確保に関する懇談会」を開催し、
平成17年の「品確法」の施行以来、5年が経過した総合評価落札方式の実施状況を踏まえ、その
効果を再検証すると共に今後の改善の方向性について検討を始めた。

 始めに国土交通省より、総合評価落札方式の導入・拡大に伴い工事成績評定点の平均点は高くなる
傾向にあり、全体的な分布も工事成績評定点の高い方へ推移している状況が資料で報告された。


工事成績評定点の分布と経年変化
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 また簡易型において、平成20年度以降1工事あたり技術提案の「満点」者数が増加し、22年度は
60%程度になっていることが報告され、特に簡易な施工計画の得点率が80~100%に集中している
問題が提起された。


技術提案の満点者数
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簡易な施工計画の得点率:80~100%に集中
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 検討方針として新たに「施工能力評価型(仮称)」及び「技術提案評価型(仮称)」が提案され、
現在の簡易な施工計画に代わり、技術者へのヒアリングによる評価方法が検討されていることが
明らかになった。技術者へのヒアリング導入により、会社の平均点の高低で決まりがちだった
総合評価方式が、各社の技術者に対するヒアリングの優劣により決まる可能性が高まることに
なりそうだ。
 又、現在の簡易型と、標準型の大多数を占めるⅡ型が、現状の検討方針通りに移行すると
なれば、新年度の総合評価方式入札は8~9割が施工能力評価型になる可能性が高い。


総合評価方式のタイプ別検討方針(案)
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 続いて、多様な発注方式の導入・検討について、
 ・段階選抜方式
 ・事後審査方式
 ・地元企業活用審査型総合評価落札方式
 ・特定専門工事審査型総合評価落札方式が提案された。
 事務手続きに関するコストについては、関東地方整備局より、「1工事あたり平均26人・日程度」
との報告があり、評価を外注するか人員を増やさないと対応が難しいのではないかという意見が
委員より出された。
 地元企業活用審査型では今年度内に60件程度の試行が予定され、主として地方における建設
産業政策に重点が置かれている。元請企業だけでなく、下請企業や資材会社における地域への
貢献度等を審査する仕組みとなりそうだ。


地元企業活用審査型総合評価方式
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 今後懇談会は年末と年明け3月の開催が予定され、24年度から準備が整い次第、新しい評価
方式がスタートする予定。

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