2011/10/25 国交省/地域維持型JV運用準則案/共同と分担施工の2方式、技術者の配置明記

【建設工業新聞 10月 25日 記事掲載】

 国土交通省は、除雪や災害時の応急対応などの「地域維持事業」に地元建設業者が共同で取り組む「地域維持型JV」を制度化するため、「共同企業体(JV)運用準則」に新設する地域維持型JVの記載案をまとめた。JVの形式は甲型(共同施工方式)と乙型(分担施工方式)の2種類。等級差のある企業同士の組み合わせも容認する。甲型の代表者には監理技術者か主任技術者、乙型の請負代金2500万円以上(土木)の構成員には主任技術者の専任配置をそれぞれ義務付ける。
 
 
 記載案は、24日に開かれた中央建設業審議会(国交相の諮問機関、中建審)と社会資本整備審議会(同、社整審)産業分科会建設部会に設置された基本問題小委員会の会合で提示された。それによると、地域維持型JVは「地域の維持管理に不可欠な除雪などの事業の実施を条件に結成を認める新たな共同体」と定義。対象工事については「災害応急対応、除雪、パトロールなど地域事情に精通した建設企業が継続的に実施する必要がある工事で、新設・改築等の工事を含まないもの」とした。
 
 
 JVの構成員数は「地域や対象工事の実情に応じて円滑な共同施工が確保できる数」とし、土木工事業(工事によっては建築一式)の許可業者を少なくとも1社含めれば、等級差がある組み合わせも容認。代表者は施工能力の最も大きい土木工事業の許可業者とする。地域維持型JVに登録した業者が、企業単体として同時に競争参加資格登録することも認める。
 
 
 甲型では、代表者だけに監理技術者か主任技術者の専任配置を義務付け、他の構成員には専任配置は求めない。一方、乙型については「各構成員の分担工事とその価額に応じて技術者を配置する」と明記。請負代金が2500万円以上(土木)の構成員にだけ主任技術者の専任配置を求め、それ未満の構成員は専任配置は不要とする。構成員数については2~10社程度とする予定だったが、競争性を確保する観点から上限数の明記は見送った。構成員の組み合わせについては総合的な企画・調整・管理ができる最上位等級の企業を少なくとも1社は含めるとする方針だったが、最上位等級という要件は外し、組み合わせの制限を緩和した。国交省は、11月中に中建審総会を開き、JV運用準則を改定する。

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