2013/01/29 全中建/社会保険加入状況調査結果/未加入の割合、下請と正社員以外で高い傾向

【建設工業新聞 1月 29日 記事掲載】

 全国中小建設業協会(全中建、岡本弘会長)は、会員企業を対象に実施した社会保険の加入状況に関するアンケートの結果をまとめた。会員企業の約1割を抽出して調査。元請企業よりも下請企業の方が未加入者が多いことや、社員以外の未加入者が多い傾向が見られた。未加入の主な理由には「資金の余裕がない」「本人の希望」「事業主や役員などのため加入できない」といった回答が寄せられた。全中建は未加入状況をさらに精査。下請企業への指導なども含め対策を検討する。
 
 
 国土交通省を中心に官民で社会保険の加入促進を図っていることを踏まえて調査を実施した。調査対象は288社で、うち252社から回答を得た。回収率は87・5%。調査対象人数は、会員会社の正社員が9223人、正社員以外が664人。元請工事現場については正社員が2441人(下請企業含む)、正社員以外が1001人(同)。会員企業については、直近の経営事項審査の内容を、元請工事現場については12年11月15日時点の状況を調べた。
 
 
 会員企業の状況を見ると、正社員の未加入割合は、健康保険0・4%、年金0・4%、雇用保険1・3%。一方、正社員以外の未加入割合は、健康保険14・4%、年金15・2%、雇用保険9・2%だった。年齢などによる適用除外も含まれているため一概には言えないが、正社員以外の方が未加入割合が高くなる傾向があるとしている。
 
 
 元請工事現場の状況は、下請企業も含めて調査した。社員の未加入率は、健康保険5・1%、年金6・7%、雇用保険7・4%。これに対し、社員以外の未加入率は、健康保険22・5%、年金25・1%、雇用保険26・1%となっており、ともに2割を超えていた。全中建によると、下請企業の加入率が低いことが要因として考えられるという。

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