2013/02/21 国交省/登録基幹技能者実態調査結果/元請が高評価、直轄工事成績でも加点傾向

【建設工業新聞 2月 21日 記事掲載】

 国土交通省は、登録基幹技能者の活用促進に向け、元請企業や発注機関、有資格者と雇用企業を対象に実施した実態調査の結果(速報)をまとめた。元請側では品質、工程、安全の3分野で「元請のサポート役」として評価する企業が目立ち、雇用企業側の配置方針でも3分野を重視する工事に同技能者を優先配置しているとの回答が多かった。調査の一環で行った直轄土木の完成工事成績の分析結果でも、全体平均と比べて同技能者が配置された工事では平均点を上回る傾向が出ている。
 
 
 今回の調査・分析結果は、20日に開いた同省の「担い手確保・育成検討会」で示された。実態調査では各職種ごとの登録基幹技能者の立場や役割、評価のされ方などについて、関係先にアンケートやヒアリングなどを行い、意見を収集。工事成績資料を基に活用効果を定量的に分析した。最終の結果は来月にもまとめる。
 
 
 登録基幹技能者に対して元請側は、「技能者の適切な配置、作業方法、作業手順の構成」「技能者の提示、指導」「他の職長との調整」といった現場業務での活躍を期待している社が多い。同技能者を自社の優良職長手当制度の資格要件にしている大手ゼネコンなども評価項目に「施工品質」「安全性」「作業工程」を挙げた。
 
 
 工事成績の分析結果では10、11年度直轄土木の工事成績の全体平均と、そのうち同技能者が実際に配置された工事との平均を比較分析した。同技能者との関連性が深い評定項目のうち、安全対策と出来形の2項目で全体平均を0・2ポイント上回った。品質と創意工夫ではそれぞれ0・5ポイント程度高くなっており、配置効果の表れと推測している。同省は実態に基づく評価・導入効果などのデータを整理し、登録基幹技能者の普及活動に役立てていく方針だ。

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