2013/03/01 安倍晋三首相/「国土強靱化は焦眉の急」/施政方針演説で強調

【建設工業新聞 3月 1日 記事掲載】

 日本経済再生に道筋をつけるため、公共事業費の4年ぶりの増額などを盛り込んだ13年度当初予算案の国会審議が本格的に始まる。2月28日に衆院本会議で施政方針演説に臨んだ安倍晋三首相は「命を守るための『国土強靱(きょうじん)化』が焦眉(しょうび)の急だ」と強調。麻生太郎財務相も財政演説で公共事業予算の充実を図ると述べ、国土強靱化とデフレ脱却のけん引役として、12年度補正予算に続き13年度当初予算でも公共事業に力を入れる考えを表明した。
 
 
 政府は28日の臨時閣議で13年度予算案を決定し、国会に提出した。13年度予算案の一般会計総額は12年度当初予算比2・5%増の92兆6115億円で、うち公共事業関係費に15・5%増の5兆2900億円(国交省分は14・1%増の4兆4891億円)を充てる。13年度当初予算でも12年度補正予算に引き続き、公共事業の柱はインフラの防災・減災対策や老朽化対策に据えている。
 
 
 安倍首相は施政方針演説で「私の育った時代、高速道路が次々と延びていく姿は『成長する日本』の象徴だった。しかし、あのころできたインフラが老いつつある。(笹子トンネル事故で)人の命まで奪った現実に向き合わなければならない」と指摘。「命を守るための『国土強靱化』が焦眉の急だ。首都直下地震や南海トラフ地震など大規模な自然災害への備えも急がなければならない」と強調した。その上で、今後の公共事業政策については「徹底した防災・減災対策、老朽化対策を進め、国民の安全を守る」と述べ、12年度補正予算に続き13年度予算でも切れ目なく公共事業政策を推し進める強い決意を示した。
 
 
 財政演説に臨んだ麻生財務相も13年度予算案の内容に触れ、「緊急経済対策に基づく12年度補正予算と同様に『復興・防災対策』『成長による富の創出』『暮らしの安心・地域活性化』を重視する」と強調。その上で「老朽化対策など国民の命と暮らしを守る公共事業予算を充実する」と述べ、安倍首相と歩調を合わせた。

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