2013/03/07 国交省/当面は1次下請対象に3項目/専門工事業評価制度で考え方提示

【建設工業新聞 3月 7日 記事掲載】

 国土交通省は、専門工事業者を評価する新たな制度構築に向けた基本的考え方をまとめ、6日に省内で開いた「専門工事業等評価制度ワーキングチーム(WT)」の第3回会合で提示した。評価対象は当面、元請企業が選定に直接責任を有する1次下請企業とし、評価項目は工事品質に影響を及ぼす技能労働者の確保という観点から登録基幹技能者、若年労働者の雇用や活用状況などに絞り、社会保険加入の有無は盛り込まないとした。同WTは、13年度に建設関係業界に対し労働者の雇用状況や働き方などの実態調査を行った上で制度の詳細を固め、一部業種で試行を始める考えだ。
 
 
 専門工事業者評価制度は、国交省が決めた評価項目に沿って専門工事業者自らが評価内容をまとめ、元請企業に提出。元請はそれを確認し、契約経験のない企業を含めて優れた専門工事業者の選定に活用する。発注者も工事入札時に、下請まで含めて元請の施工者としての適格性を審査するための材料として活用する。
 
 
 基本的考え方では、「元請がコストだけにとらわれず、人を大切にする施工力のある専門工事業者と契約することを後押しする仕組みにする」と明記。評価の対象については、元請が入札段階で2次下請業者まで決めている状況にあるかどうかを把握する必要があるとして、当面は28建設業許可業種のうち一式2業種を除く26業種のいずれかを保有している1次下請(専門工事業の許可を有する総合工事業者を除外しない)を対象に制度を設計する。2次下請以下を対象に加えるかどうかは13年度に検討を進めるとした。
 
 
 評価項目については、市場原理に委ねていては将来の建設産業の発展が図り難い部分の是正に資する項目に限定して設定。具体的には、▽登録基幹技能者の雇用状況(雇用の有無、雇用人数など)▽若年労働者やそのうち登録基幹技能者となることが見込まれる者などの雇用状況や活用状況▽技能・技術を習得しようとする若年労働者の育成に対する取り組み-の3点を挙げた。国交省は今月25日に開く「担い手確保・育成検討会」に基本的な考え方を示し、了承を得て詳細な制度設計に入る。

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