2013/05/02 建設投資、上昇基調に/12年度住宅着工6・2%増、建設受注は2・4%増

【建設工業新聞 5月 1日 記事掲載】

 国土交通省がまとめた12年度の建築着工統計と建設大手50社の工事受注動態統計が4月30日に発表された。新設住宅着工戸数は3年連続、大手50社の工事受注総額は2年連続でそれぞれ増加。いずれも民間の建設投資が伸びているのがプラス要因で、東日本大震災の復旧・復興需要も寄与した。建設投資の上昇基調が鮮明となり、安倍政権の経済政策「アベノミクス」の効果や、消費増税前の住宅の駆け込み需要などが反映されれば、増加傾向は今後も続きそうだ。
 
 
 12年度の新設住宅着工は前年度を6・2%上回る89万3002戸と3年連続で増えた。100万戸を超えていたリーマンショック(08年)前の水準には届かないものの、同省は「消費マインドの改善で緩やかな回復が続いている」(総合政策局建設統計室)と分析している。都道府県別では、東日本大震災の被災3県(岩手、宮城、福島)が前年度比で5割前後増加。伸び率で上位1~3位を独占した。
 
 
 着工戸数の内訳は、持ち家(注文住宅)31万6532戸(前年度比3・8%増)、貸家32万0891戸(10・7%増)、分譲住宅24万9660戸(4・4%増)とすべて増えた。低迷が続いていた貸家も4年ぶりに増加。分譲住宅のうちマンションは12万4027戸(3・3%増)と3年連続で増えた。持ち家は07年度の水準まで回復した。地域別に見ると、東北の38・3%増(5万5942戸)が際立つ。
 
 
 一方、12年度の大手50社の建設工事受注総額は前年度比2・4%増の11兆0447億円で、2年連続の増加となった。リーマンショック後の09年度に大きく落ち込んだ受注総額は10年度に底を打ち、回復基調に入ったとみられる。国内受注は3・3%増の10兆5284億円。このうち、民間工事の受注額は2・6%増の7兆4258億円だった。製造業からの受注が5・0%減の1兆4895億円となったが、非製造業からの受注は4・7%増の5兆9363億円。発注者別に見ると、不動産業のほか、卸売業、小売業などからの受注が増えた。公共工事の受注額は5・3%増の2兆6213億円だった。海外受注は5163億円(12・0%減)と2年ぶりに減少に転じた。

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