2013/06/11 国交省/保険加入促進へ民間30団体に協力要請/法定福利費確保に配慮を

【建設工業新聞 6月 11日 記事掲載】

 国土交通省は、建設労働者の社会保険未加入対策の一環で、民間工事の発注者が所属する主要団体に対し、工事費の見積もり、入札・契約の段階で、保険加入に必要な法定福利費の確保に特に配慮するよう求める要請文を出した。公共工事の発注機関向け通知とは違って拘束力はないが、国内建設市場の多くを占める民間工事の発注者の理解を促すことで、保険加入の促進につなげる狙いがある。
 
 
 要請文は7日付。日本経団連や日本商工会議所のほか、日本民営鉄道協会や不動産協会といった民間発注者団体、さらに積算段階での法定福利費確保を徹底する観点から建築や設備の設計に関与する団体など計30団体に出した。要請文では、社会保険加入を徹底するには工事発注者の協力が不可欠であることを説明。その上で、▽法定福利費を内訳明示した標準見積書の活用▽総合工事業団体からの要請に対する十分な配慮▽適正価格による工事発注と適正な工期の設定▽会員企業への周知とこれら内容の各団体での計画的な取り組み推進-を求めた。
 
 
 このうち標準見積書については、国交省と建設業界団体などでつくる社会保険未加入対策推進協議会のワーキンググループが、9月をめどに下請企業から元請企業への提出を一斉に開始することを申し合わせたことを明記。これを円滑に進めるためにも発注者の配慮が必要であることを重ねて強調した。
 
 
 13年度公共工事設計労務単価が大幅に引き上げられたのを踏まえ、質の高い工事が円滑に施工できるよう適正価格での発注も要請。受注者と十分な協議を行って必要な工期を設定するとともに、工期を変更する場合は受注者に過度な負担を強いないようにすることも求めた。

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