2013/06/13 国交省/直轄工事4割でNETIS登録技術活用/12年度、4年連続で1万件超

【建設工業新聞 6月 13日 記事掲載】

 国土交通省は、公共工事への12年度の新技術活用状況をまとめた。直轄工事に新技術活用システム(NETIS)登録技術を活用した割合は過去最大の約4割に達した。活用された延べ1万4224件の新技術のランキングでは、新しい昇降機材として開発された仮設工向けの「ラク2タラップ」が11年度の2位からトップになった。このほか、コンクリート工、仮設工に関する技術が上位に並んだ。
 
 
 国交省は、NETISに登録された約4500件の新技術の中から有用な技術を選び、特定の性能や機能に優れた「活用促進技術」(65件)、「設計比較対象技術」(232件)、技術の優位性は高いが、直轄工事での実績が少ない「少実績優良技術」(51件)に分類。さらに各種選考要件をクリアした画期的な新技術を「推奨技術」(10件)、さらなる発展を期待する部分がある新技術を「準推奨技術」(30件)に位置付けている。こうした評価に基づき、総合評価方式の入札や工事成績評定で技術使用に加点するなどの措置を講じているほか、設計時に比較検討することも明記している。
 
 
 12年度の集計によると、直轄工事1万2910件のうち新技術を活用した工事の割合は39・0%(11年度34・1%)。04年度からの集計で最大となった。活用した技術は延べ1万4224件と4年連続で1万件を超え、1工事当たり1・1技術が活用された計算になる。新技術の活用に当たっては、発注者が現場や行政のニーズを踏まえて指定するケースが減る一方、入札時や契約後の技術提案で導入する施工者希望型が増加。全体の9割を占めた。
 
 
 上位20位までの4割は有用な技術に位置付けられており、6割は震災NETISに明記。1割は建設技術審査証明を取得した技術となっている。首位のラク2タラップは、技術の優位性が高く、安定性が確認されている設計比較対象技術に位置付けられているほか、復旧・復興に役立つ震災NETISにも明記されていることが、活用拡大につながったようだ。同省は、NETISの仕組みの見直しを進めており、これまで以上に新技術を積極的に活用したり、挑戦的な取り組みを評価したりする方向で新しい指標をまとめる方針。本年度中に新指標を試行したいとしている。

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