2013/06/25 国交省/監理技術者受験要件の緩和検討/高卒者の最速受験年齢が焦点に

【建設工業新聞 6月 25日 記事掲載】

 国土交通省は、建設工事現場に配置される「監理技術者」の技術検定試験で受験資格要件を緩和する。現行規定では、一定の実務経験を経て、大学や短大・高等専門学校の卒業者は最短26歳、高卒者は28歳にならないと原則、受験資格を得られない。要件緩和の目的は若手技術者の確保で、高卒者の実務経験の設定が焦点。大卒者などと年齢を合わせるには経験年数を2年減らすことになり、相応の根拠が必要となる。国交省は、実態に即して経験の中身をどう問うかを今後詰めていく。受験資格要件を緩和する方針は、21日に開かれた省内会議の「地域の建設産業および入札契約制度のあり方検討会議」(議長・鶴保庸介副大臣)の第2回会合で示された。「現場を支える技術者・技能者の確保・育成」方策の一つ。最終学歴によって受験資格が異なる現状を是正してほしいとの要望は建設業界からも寄せられている。
 
 
 一定金額以上の工事を元請として施工する場合、建設業法の規定により、現場に監理技術者を配置することが義務付けられる。監理技術者となるには、国家資格の1級土木施工管理技士などの資格を保有している必要がある。資格試験を受ける場合、大卒者には3年以上、短大・高専卒者には5年以上の実務経験が求められ、最速の受験可能年齢は26歳。これに対し、高卒者は3年の実務経験後に2級検定に合格し、さらに5年の実務経験を経る必要があるため、最速でも28歳にならないと1級試験を受験することができない。
 
 
 建設業法施行規則に明記されたこれらの規定と同等と見なされる告示レベルの特例もある。それによると、高卒の場合でも、2級合格を経て専任主任技術者として1年以上従事すれば、最速で大卒や短大卒・高専卒と同じ26歳で1級試験を受験できる。ただ、こうした過程を経て1級を取得する人は極めてまれ。受験資格要件を緩和する場合、告示による特例との整合も図りながら、実務経験の年数と中身を具体的に検討していくことになる。


 具体的な緩和策については、7月以降に開始する中央建設業審議会(中建審、国交相の諮問機関)・社会資本整備審議会(社整審、同)の基本問題小委員会で有識者の意見を聞いたり、別途意見募集を行ったりした上で最終決定する。14年度の試験から緩和策を取り入れる場合、次年度の試験計画を官報で告示する12月までに内容を固める必要がある。

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