2013/07/26 国交省/情報化施工拡大、17年度までに全都道府県で導入へ/整備局に相談窓口

【建設工業新聞 7月 26日 記事掲載】

 国土交通省は25日、17年度までに全都道府県で情報化施工を導入する新たな方針を打ち出した。14年度に各地方整備局管内の都道府県で少なくとも1件以上を実施。15~16年度には複数の都道府県で取り入れられるようにするなど段階的に導入を拡大する。各整備局が行う見学会や講習会などへの積極参加を促すとともに、都道府県の取り組み実態を把握した上で、発注方法などへの支援策も講じる。自治体の問い合わせに応じる窓口を各整備局に設置済みだ。
 
 
 同省は3月、13年度から5カ年の情報化施工推進戦略を策定。前5カ年の戦略の効果で情報化施工は「使う」から「生かす」段階に入ったとして、五つの重点目標と10の取り組みを明記した。25日に開かれた情報化施工推進戦略会議(建山和由委員長)で、国交省は同戦略に基づいて今後進めていく具体的な実施事項を説明し、了承された。その一つが都道府県への導入拡大。同省直轄工事で先行する取り組みについて、あらゆる機会を通じて情報発信するとしており、7月以降に開く全国ブロック土木部長会議などで導入メリットを周知するなど、普及促進に力を入れていく。
 
 
 都道府県への導入拡大のほか、公共工事の品質を確保する取り組みの一環で、トータルステーション(TS)を利用した出来形管理の普及も進める。管理要領や監督・検査要領について、整備済みの土工用と舗装用に加え、適用効果が期待できる埋設物、護岸、道路土留め、擁壁、撤去工などでも整備を進める方針だ。
 

 さらに、情報化施工によるコスト、品質、安全への効果が一段と発揮されるよう、例えば道路では、路体、路床、路盤、舗装という一連の事業に導入することを想定。高精度な施工で構造物を積み重ねていく試験施工を14年度に行い、長期的な耐久性の面で従来型施工とどのような違いが出てくるかを検証する。出来形データやレーザースキャニングによって土量の変化を確認できる情報化施工の持つ利点を生かし、効率的な契約変更や出来高部分払いに役立てることも想定。データのトレーサビリティー機能を、維持管理段階の災害復旧や補修に活用する方策の確立も目指す。

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