2013/07/26 1級土木等施工管理試験 受検資格緩和へ =2級合格後3年実務で受検可能に=
                     (中建審 第8回基本問題小委員会)

7月26日 国土交通省 中央建設業審議会・社会資本整備審議会産業分科会建設部会は、第8回基本問題小委員会(大森文彦委員長)を開催した。

冒頭、鶴保国土交通副大臣が、「地域の建設産業および入札契約制度のあり方検討会議」 で提示された入札契約制度の4つの改革理念について、「委員の専門的な意見をお聞きしながら、年内を目処に具体的方策を策定していきたい。」と挨拶し、開会となった。


今回の委員会では、以下4点が議題として取り上げられた。
  (1)業種区分の見直しについて
  (2)技術検定試験の受検資格要件の緩和について
  (3)社会保険未加入問題への対策について
  (4)公共工事の入札契約制度について

このうち、「(2)技術検定試験の受検要件の緩和について」では、2級技術検定合格後、1級受検までに必要な実務経験年数(現行5年間)を、 一定の条件のもと3年に緩和することが委員会で承認された。実務経験で主任技術者となった場合の受検資格も同様に緩和。
平成26年度の検定試験での導入にむけ調整が進められる見込み。

”一定の条件”は、「『専任の監理技術者』の配置が必要な工事(2,500万円(建築5,000万円)以上の工事)に配置され、監理技術者に指導を受ける等」とされる。

国交省は、「(H23年度)監理技術者資格証保有者は、H17年度比 全体:4%増に対し、30歳未満は57%減、 1級技術検定の合格者は40%減という状況下、将来的に建設業を担う優秀な若手技術者の確保が急務」と報告。

委員からは、「若手技術者確保が急務とされ、高卒の新規入職者が激減している中で、一定の効果が期待できる。」との意見が寄せられた。


なお、高校在学中に2級技術検定試験の学科試験に合格した者の実地試験合格までの有効期間は、 大学・高専・短大(指定学科)への進学者に配慮し、現行の6年間から最大で8年間に延長する。


また、1級技術検定における学科試験の早期受検に向けた制度づくりについては、学科試験に実務経験内容に係わる問題も含まれており、今後の検討課題とされた。

技術検定については、H26年度より実地試験の合格基準公開、不合格者に対する成績の通知等、受検者の利便性向上に対する取り組みもなされている。
http://www.wise-pds.jp/news/2013/news2013053001.htm

その他の議題については以下のとおり。
【公共工事の入札契約制度について】
国土交通省より、「地域の建設産業および入札契約制度のあり方検討会議」において提示された方向性について報告。

多様な入札制度の導入が検討される中、委員からは、
「規模の小さい地方自治体では、総合評価方式のチェックにも手がまわらない状況。発注者の事務負担増を見極めた上での制度設計が望まれる。
「入札契約制度・品質確保の改革にもかかわらず、ダンピングが止まらない。『技能者の確保・育成』に『優遇』を含めなければ、技能者も増えないのではないか?適正価格で発注・受注の対策はとられているが、 技能労働者の手に渡っていない。賃金の下限額を例示する等、なにかしなければ、技能労働者の賃金引上げにはつながらないのではないか。」
との意見が寄せられた。
入札契約制度の改革については、同委員会で議論を重ね、年内を目処に具体的な方向性が策定される見込み。


【業種区分の見直しについて】
国土交通省より、業種の新設・統合による影響が提示され、具体的な当てはめ作業前に、告示及び建設業許可事務ガイドラインに示される 建設工事の「内容」「例示」「区分の考え方」の見直しの検討をすすめることが報告された。



【社会保険未加入問題への対策について】
平成29年度末の100%加入を実現するため、前回の委員会での指摘を踏まえた、公共工事設計労務単価の見直し等、取組状況が報告された。
委員からは、「労務単価に反映とあるが、実際の話を聞くとあまりもらっていないという声も聞こえてくる。増加した分が適切に支払われるような方策が必要。」等の意見が寄せられた。



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