2013/08/19 国交省/下水道アセットマネジ国際規格指針作成へ/8月8日に検討委初会合

【建設工業新聞 8月 7日 記事掲載】

国土交通省は8日、下水道分野の有識者や自治体担当者などで組織する「下水道分野におけるISO55001適用ガイドライン検討委員会」を発足させる。年内にもインフラのアセットマネジメントの国際規格「ISO55000シリーズ」が発行されるのに先立ち、日本の下水道事業者向けに特化した独自の認証ガイドライン案を検討してもらう。将来的に国内外の下水道事業で国際規格が定着した場合に備え、国交省は13年度中にも国内の事業者支援として独自のガイドラインを作る。  

  ISO55000シリーズは上下水道をはじめ、道路や鉄道、電力などインフラのほぼ全般に適用されるアセットマネジメントの国際規格。公共事業の民営化を積極的に進めている英国が09年に提案し、規格化作業が進められてきた。日本や欧米諸国など約30カ国が参画する見通しのため、将来的に国内外のインフラ維持管理事業に新規格が定着するとの見方もある。  

  そこで国交省は、所管する下水道で先行して自治体や民間向けにISO55001の認証取得支援に乗りだした。検討委を通じ認証取得に向けて必要な体制や取り組みをまとめた独自のガイドライン案を日本語に翻訳して作成。同時に自治体と民間企業で認証の取得作業を試行しており、浮き彫りになった課題をガイドラインに反映させる。  

  新規格が国内外のインフラ事業で定着した場合、特に職員の不足や技術継承が課題になっている地方の自治体にとっては新規格の認証要件を満たすのが困難な見通し。民間企業も海外の事業参入を狙う場合などに新規格の認証を取得しなければならないケースが今後増えてくるとみられている。

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