2013/08/22 国交省/住宅性能表示制度改正案/1次エネ消費量の評価項目追加、液状化情報も

【建設工業新聞 8月 21日 記事掲載】

国土交通省は、住宅の構造耐力や省エネ性能などを評価・表示する住宅性能表示制度を見直す。評価項目(新築は全10分野32項目)に、給湯などの設備を含めた1次エネルギー消費量を評価する項目を導入する点が大きな柱。必須評価項目も住宅購入者の関心が高い省エネなどに厳選。地盤の液状化に関する情報も提供できるようにする。15年4月の施行を目指す。

制度改正案を20日に開かれた社会資本整備審議会建築分科会(会長・久保哲夫東大名誉教授)に提示した。意見募集と分科会の承認を経て年内にも新制度を告示する。改正案の柱は、▽省エネ性評価項目の見直し▽必須・選択評価項目の範囲変更▽液状化に関する情報提供-の3点。改正の最大のポイントは、温熱環境分野の評価項目にある省エネ対策項目を見直し、給湯や冷暖房といった設備の性能や太陽光発電などの創エネを総合的に評価する1次エネ消費量(家電除く)の項目を設ける点。住宅の1次エネ消費量は年々増え続けているため、ここに特化した評価項目を設けて省エネ設備の導入を促す。

1次エネ消費量の評価では、低炭素建築物認定基準の評価方法にならい、消費量が改正省エネ基準比でマイナス10%以上となった場合に最高評価の5等級を与える。5等級を得ると具体的な消費量(見込み)も併記でき、省エネ性能をアピールしやすくなる。吹き抜け空間が広い住宅などがあることを考慮し、断熱性能の評価もより正確に行えるよう評価算定方法を変更。現行制度では床面積だけの総熱損失量としている評価算定方法を、外壁や窓なども含めた外皮表面積当たりの総熱損失量に変える。

このほか、必須としている評価項目の割合を大幅に減らし、住宅購入者の関心が特に高い省エネや耐震、維持管理などの一部に限定する。新築の共同住宅の場合、必須評価項目は現在の28項目から7項目に減らし、評価にかかる負担軽減を図るとともに、住宅の選択自由度を高める。東日本大震災を教訓に、評価書の中で液状化に関する情報提供を行う仕組みも整備する。住宅性能表示制度は住宅品質確保促進法に基づき、住宅の構造耐力や省エネ性能などを評価・表示する任意の制度。12年度は新築住宅の20%強に利用されている。

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