2013/11/20 4~9月の建設業給与、1・7%増/全産業上回る伸び/市場回復と政策効果反映

【建設工業新聞 11月 20日 1面記事掲載】

13年度上半期に建設業で支払われた給与の額が全産業平均を上回るペースで上昇している。4月から9月にかけて厚生労働省が発表した毎月勤労統計調査から日刊建設工業新聞社が集計したところ、全産業の現金給与額の平均が31万1936円で前年同期と横ばいだったのに対し、建設業は36万8391円で1・7%増となった。建設投資の増加や技能労働者の賃金を引き上げる政策効果が調査結果にも表れたようだ。

毎月勤労統計調査は、一定の要件を満たすパートタイム労働者を含め、常用労働者5人以上の事業所を対象に賃金、労働時間、雇用の変動を把握する目的で行っている。統計から建設業の現金給与総額の伸び(前年同月比)の推移をみると、4月が1・5%増(全産業は0・0%減)、5月が0・5%増(0・1%減)、6月が3・2%増(0・6%増)、7月が2・6%増(0・1%減)、8月が0・6%増(0・9%減)、9月が1・6%増(0・2%減)となっている。

4~9月の給与額平均の前年同期比は、基本給や家族手当、超過労働手当など「決まって支給する給与」が横ばいとなる一方、賞与や期末手当などの一時金といった「特別に支払われた給与」が13・7%の大幅増となり、全体をけん引した。全産業の特別に支払われた給与が1・6%にとどまったのと比較すると、一時金の高い伸びが建設業の給与の増加につながったことが分かる。

建設市場は、12年度の大型補正予算の本格執行や民間投資の伸びもあって堅調に推移している。国土交通省が毎月発表している建設受注動態調査の結果を見ても、4~9月の受注総額は38兆5279億16百万円と前年同期を17・9%上回っている。長く低迷が続いた市場の回復に加え、13年度の公共工事設計労務単価が過去最大の上げ幅(全51職種の全国単純平均で15・1%増)となったことなどの政策効果を背景に、建設業の給与も上昇しているとみられる。

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