2013/11/27 国交省/標準見積書活用状況の提出要請/周知不足が判明、促進強化策検討

【建設工業新聞 11月 27日 1面記事掲載】

国土交通省は26日、建設技能労働者の社会保険未加入対策で9月26日に一斉活用が始まった法定福利費を内訳明示した標準見積書について、各建設業団体に傘下企業への周知状況などを回答してもらう現状報告の提出を依頼した。企業や現場単位での標準見積書の活用状況では、実施中のアンケートの中間集計で各専門工事業団体が作成した見積書の周知不足が判明している。現状報告を活用促進強化策の検討に役立てる。

現状報告は、社会保険未加入対策推進協議会(蟹澤宏剛会長)に参加する建設業団体に依頼した。12月13日までの提出を求めている。報告では、標準見積書について傘下会員企業への説明会の開催の有無や会員への郵送、ホームページへの掲載、機関誌などへの掲載、理事会での報告などの現状を回答してもらう。傘下企業による標準見積書の活用状況や対応すべき課題、団体としての今後の対応方策などの記入も要請する。

一斉活用開始後、同省は、元請・下請企業、建設現場などを対象に標準見積書の活用状況についてアンケートを開始。10月30日から今月18日までに企業(元・下請)から520件、現場から662件の回答が寄せられている。中間集計では、9月26日の推進協で一斉活用を申し合わせたにもかかわらず、実際の活用が不十分であることが判明。加えて、さまざまな理由から下請から元請に対する見積書の未提出、元請から下請に対する見積書提出の働き掛けが不足している可能性があることも分かった。

一方で、見積書がある程度尊重され、法定福利費が満額または一部減額してでも支払われているケースが多いことも判明。国交省は「下請から元請に提出すれば認められる」(労働資材対策室)として、そのためにも、まずは見積書を作成し、元請へ提出する取り組みを徹底する必要があるとしている。国交省は、標準見積書の活用促進に向けた施策を検討するためには、できるだけ多くのサンプルを集めて活用実態を分析する必要があると判断。今月29日までとしていたアンケートの回答期限を12月9日まで延ばし、より多くの回答が得られるよう各企業に回答を呼び掛けている。

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