2013/12/09 政府/14年度予算編成基本方針決定へ/「選択と集中」など公共事業に3原則

【建設工業新聞 12月 9日 2面記事掲載】

政府は、14年度予算編成の基本方針を今週中に閣議決定する。デフレからの脱却・経済再生と財政健全化の両立を目指し、公共事業費は歳出の抑制方針を明確にした上で「選択と集中」「優先順位の明確化」「民間能力の活用」を原則化。地方の都市機能集約やPPP・PFIによる公共施設の維持更新などを通じて社会資本整備を効率化する。東日本大震災の復興財源は確実に確保。巨大災害に備える国土強靱(きょうじん)化の取り組みにも予算を適正配分する方針を打ち出す。

14年度予算案は年末にまとまる。政府が5日の経済財政諮問会議(議長・安倍晋三首相)に示した基本方針案によると、公共事業費は民需誘発効果や投資効率の高いインフラに「選択と集中」を行う。地方都市の中心部に公共サービスや住宅を集約させる「コンパクトシティー」を促進してインフラの維持更新を効率化。PPP・PFIによる民間資金活用も最大限取り入れ、空港へのコンセッション(公共施設等事業運営権)方式の導入や、高速道路の大規模改修と周辺再開発を一体的に行う取り組みを推進する。

南海トラフ地震や首都直下地震などの巨大災害が発生しても経済活動を維持できるよう国土強靱化基本法など「強靱化3法」が4日までに成立したのを踏まえ、公共施設の耐震化やインフラの老朽化対策を推進。施策に優先順位を付けて予算を適正配分する。東日本大震災の復興を加速させるため、「集中復興期間」と位置付ける15年度までの25兆円程度の復興財源は確実に確保する。本年度に引き続き防災集団移転促進事業などの復興街づくりを支援。事故を起こした東京電力福島第1原子力発電所の廃炉・汚染水対策も国が前面で取り組む。

東京や大阪など大都市の国際拠点化も加速。木造住宅密集地域の解消や高齢者対応住宅の整備を推進するほか、首都圏では2020年東京五輪に照準を合わせた交通インフラの整備を推進する。このほか、政府が成長戦略に位置付けるインフラシステム輸出を促進するため、政府開発援助など公的資金の活用などを通じ民間企業の海外進出を支援。再生可能エネルギーも最大限導入する。

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