2013/12/20 自民契約適正化委/公共工事品確法改正PT素案を報告/制度改善で適正利潤確保

【建設工業新聞 12月 20日 1面記事掲載】

自民党の公共工事品質確保に関する議員連盟公共工事契約適正化委員会(野田毅委員長)は19日、東京・永田町の党本部内で会合を開き、公共工事品質確保促進法(公共工事品確法)の改正について、法制化ワーキングチーム(PT)がまとめた素案を佐藤信秋座長が報告した。法改正によって、中長期的な担い手の確保やダンピング防止、インフラの維持管理などの課題に対応した入札契約の改善を推進。公共工事に参加する建設業者が適正な利潤を確保できるようにする。

報告の中で佐藤氏は、さまざまな課題に対応した法改正により、発注者が予定価格を不当に引き下げる「歩切り」をなくし、市場価格を反映した労務や資材の単価を用いた予定価格が設定されるようになるなどの効果を強調した。委員会では、これら効果を明示した改正ポイントの資料が、改正内容を条文に落とし込んだ素案と併せて配布された。

会合では、メンバーの議員から労務単価の適正な設定などへの質問が相次いだ。これに対し国土交通省の佐々木基土地・建設産業局長は、労務に支払う価格が急激に上がる状況下、年1回の調査では市場に追い付いていけない現状を指摘し、「法改正によって、市場価格を反映させて労務単価をつくることが行政側の役割になる」との認識を示した。

野田委員長は、素案の内容について「歴史的、画期的な案がまとまった」と評価した。その上で、「罰則がないので、行政側での運用がきわめて大事だ」と指摘。公共工事の入札契約をめぐる行政の対応を抜本的に改めていくためにも国の直轄工事から着手して徐々に都道府県、市町村の工事に改正内容を浸透させていく必要性を訴えた。報告内容を各委員が持ち帰り、来年1月に再度PTを開くなどして、最終的な改正案を固めていく見通しだ。佐藤氏は、同じ与党の公明党だけでなく、法改正に向けて「民主党など野党にも賛同を呼び掛けていきたい」としている。

日刊建設工業新聞の購読申し込みは、こちら

戻る