2014/2/13 国交省・佐々木基国交審議官/入札不調に全省対応/発注者は必要コスト支払いを

【建設工業新聞 2月 13日 1面記事掲載】

1月28日付で就任した国土交通省の佐々木基国土交通審議官は12日、日刊建設工業新聞など建設専門紙各社のインタビューに応じ、公共工事の入札不調・不落への対応に、省内の各部局が連携した全省体制で取り組む方針を表明した。不調・不落の発生割合といった数値的な情報だけではなく、「案件ごとにどのような理由で不調・不落に至ったかを把握することが重要だ」と述べ、それを踏まえた対策を講じていく考えを示した。

震災復興事業や2020年東京五輪開催に向けた関連施設整備などで建設需要は増大する傾向にある。佐々木国交審議官は「補正予算を含めた事業の執行が目下の最大の課題だ」と指摘。執行の遅れにつながる不調・不落は、道路や河川といった同省所管分野だけでなく、「病院、学校、福祉施設などでも発生している」として、縦割りを排して情報を集約し、必要に応じて他省庁とも相談して対応する考えを示した。

不調・不落の発生要因については、「指摘されるような(受注者側の)人手不足など執行能力がないことが原因だとは考えていない。むしろ需給バランスが崩れていることが問題だ」との認識を示した。その上で、資材価格や労務賃金の上昇に対応して「発注者が必要なコストを支払うという認識を持ってもらう必要がある」と強調した。

人材を確保するための方策として、短期的には外国人活用の拡大などを含めて対応。中長期的な対応については、1月に設置した建設産業活性化会議で議論していく考えをあらためて表明した。公共事業に対する国民理解を得るためには、「景気浮揚効果に加え、工事から生み出されるものの価値を理解してもらうことも重要だ」と指摘。予算の確保と併せ、建設業界の安定にも配慮していく考えを示した。

日刊建設工業新聞の購読申し込みは、こちら

戻る