2014/2/17 政府/経済対策の公共事業、9月末に9割執行目標/国交省、円滑施工へ横断体制

【建設工業新聞 2月 17日 1面記事掲載】

政府は14日、6日に成立した13年度補正予算に盛り込んだ経済対策を前倒しで実施する数値目標を設定した。5・5兆円の予算のうち公共事業など3・4兆円を対象に、6月末までに7割、9月末に9割が実施済みとなるよう関係省庁に要請した。公共事業の多くを所管する国土交通省は同日、幹部が参加する組織横断の体制を構築。円滑施工の阻害要因となる事項を洗い出し、必要な対策を機動的に講じていく活動をスタートさせた。

麻生太郎財務相は同日の閣議後の記者会見で、補正予算の執行目標を「各省と協議の上、金額ベースで設定した」と説明。7日に安倍晋三首相、麻生財務相から求めた早期執行の具体的目標として取り組んでいくとした。対策の前倒し実施により、4月1日に消費税率が5%から8%に引き上げられた後に予想される景気の落ち込みを緩和し、成長を確実なものにする。麻生財務相は「早期実施の取り組みを強力に促し、景気の下振れリスク(への対応)に万全を期したい」と強調した。

道路、河川、下水道、港湾・空港など地方自治体への補助を含めて公共事業の大半を所管する国交省は、事業の円滑執行を「目下の最大の課題」(佐々木基国土交通審議官)としており、政府全体の方針に沿って各種の手だてを講じていく。1月21日に太田昭宏国土交通相が表明した「公共事業の円滑な施工確保対策」を踏まえて同省は、公共工事設計労務単価の再引き上げと2月からの前倒し適用、震災被災地の復旧・復興事業での間接工事費の割り増し補正を実施。加えて、実勢価格を反映させた単価の採用など、全国の事業を下に入れた各種メニューのパッケージ策も打ち出している。

太田国交相は「現場の状況を毎月ウオッチしていく」と表明。この発言を受けて構築した省内横断の体制では、各種の対策の浸透度合いを確認しながら、円滑執行の阻害要因となる入札不調・不落の状況やその発生要因、人材・資機材の需給、民間工事の受注動向などをきめ細かく把握。必要に応じて追加の対策を講じていく方針だ。

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