2014/6/17 国交省/担い手確保策中間まとめ案/「4週8休」へ工期設定、活性化会議に提示

【建設工業新聞 6月 17日 1面記事掲載】

国土交通省は16日、建設産業活性化会議(座長・高木毅副大臣)を省内で開き、中長期的な担い手不足に対する具体的施策を網羅した中間取りまとめ(案)を提示した。処遇改善などによる国内人材の確保・育成策に加え、労働力人口の減少に対応した建設生産システムの省力・効率化・高度化への取り組みが柱。発注者、元請、下請が一体となって週休2日の実現を目指し、「4週8休」を考慮した工期設定に取り組む方針を示した。月内に再度開く会議を経て中間取りまとめを正式決定する。各施策の実現に向け、建設産業界、教育訓練施設、教育機関、関係行政機関などが一体となった「次世代の担い手確保・育成のための推進会議」(仮称)を設置する。

活性化会議は、東京五輪が開かれる2020年以降も見据え、中長期の総合的な人材確保・育成策を立案することを目指して、1月から議論を重ねてきた。中間取りまとめ案は、国内人材の確保・育成策として、▽技能者の処遇改善の徹底▽若手の早期活躍の推進▽将来を見通すことのできる環境整備▽教育訓練の充実強化▽女性のさらなる活躍の推進-という5本柱を設定。さらに、建設生産システムの省力化・効率化・高度化に向けて「現場の省力化・効率化」「重層下請構造の改善」にも取り組むとした。

週休2日制の実現に向けた取り組みでは、4週8休を考慮した工期の設定に加え、土日閉所も促進。やむを得ず工期を延長せざるを得ない状況が生じれば、適切な設計変更やコスト負担も行うことを打ち出した。債務負担行為を有効活用するなどして、公共工事の発注平準化も推進。工期に見合った価格も検討する。民間工事でも適正工期を確保し、工事量が平準化できるよう、民間発注者との連携も強化する。若手が早期に活躍できる環境整備では、技術検定試験の受験資格を早期に付与する方策を検討。工事現場への技術者の配置要件の見直しも行うことも盛り込んだ。

若手の確保・育成を入札契約手続きで評価する一環として、直轄工事で若手技術者の配置を条件にするほか、過去の実績を問わないモデル工事も実施する。重層下請構造の改善では、下請次数の実態調査を実施。不要な下請の削減に向けた仕組みづくりに向けて標準次数の設定や制度・対策の検討を行う。いわゆる「中抜き」をはじめ、施工上必要性の乏しい業者の介在の抑制も目指す。教育訓練の充実に関連して高木副大臣は会議で、今月2日に富士教育訓練センター(静岡県富士宮市)を視察したことに触れ、「(人材を)送り込む会社に何かできないかという思いを持った」と述べ、支援方策を検討する考えを示した。

日刊建設工業新聞の購読申し込みは、こちら

戻る