2014/6/30 国交省/品確法運用指針たたき台/考慮すべき事項列挙、自治体・民間の意見聴取へ

【建設工業新聞 6月 30日 1面記事掲載】

国土交通省は、改正公共工事品質確保促進法(公共工事品確法)に基づき、年内にも作る発注者の共通ルール「運用指針」のたたき台をまとめた。発注関係事務を改正法の趣旨に沿って適正に実施するために、調査・設計から完成後に至るまで各段階で考慮すべき事項を列挙。事業特性などに応じて多様な入札契約方式の中から適切な方式を選択・組み合わせられるよう、各方式の内容も簡潔に紹介している。

運用指針は、国が自治体や学識経験者、民間事業者などの意見を聞いた上で策定することになっている。国交省は全国の各地域ごとに7~8月に集中開催する発注者協議会や自治体とのブロック監理課長等会議、民間団体などとの会合にこのたたき台を提示。参加機関の意見や要望を策定作業に反映させる。たたき台は、改正法で発注者の責務が規定されたことを踏まえ、各発注者が関係事務を適正・効率的に運用できるよう、調査・設計、発注準備、入札・契約、工事施工、完成後の5段階に分け、それぞれ必要な事項を体系的にまとめる方向で作成した。これにより、ダンピング対策、入札不調・不落への対応、社会資本の維持管理、中長期的な担い手の確保・育成といった重要課題に対応できるようにする。

発注準備段階では、担い手の確保・育成に必要な受注者の適正利潤を確保するため、最新の実態などを踏まえた予定価格や適正工期の設定などを規定。入札契約の段階では、地域要件や施工実績など必要に応じた競争参加資格を設定するとともに、予定価格の事後公表などにより適切な競争環境を確保するとした。工事施工の段階では、現場の週休2日や設計労務単価の周知徹底などを通じて、労働環境の改善を図ることなどを盛り込んでいる。このほか、発注体制の強化として、必要な職員の配置や民間能力の活用、工事成績データの発注者間での共有・相互活用も打ち出した。

事業特性などに応じた入札契約方式の選択・活用では、技術提案交渉方式や段階的選抜方式、複数年契約、複数工事一括発注、共同受注のほか、災害時の緊急随意契約、発注体制を補完するCM(コンストラクションマネジメント)方式や事業促進PPPなどを列挙。支払額の決定方法として、総価請負契約、単価・数量精算契約、コスト+フィー契約、オープンブック方式などを挙げた。

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