2014/9/24 国交省/技術者制度を総点検/有識者検討会が初会合、実態踏まえ見直し議論

【建設工業新聞 9月 24日 1面記事掲載】

国土交通省は、有識者でつくる「適正な施工確保のための技術者制度検討会」(座長・小澤一雅東大大学院教授)の初会合を19日に開いた。優秀な技術者の確保・育成に向け、制度・運用上の問題点を洗い出す総点検を実施。監理技術者や主任技術者に求められる経験年数や現場配置の要件、要求される職務の明確化などを議論していく。初会合で小澤座長は、「技術者制度は建設工事の品質を確保する上での根幹。技術者不足が指摘される中で課題を解決するため、早急に手を打つものと、中長期的な施策の両面から議論を進めていきたい」と述べた。

建設業法は、下請合計金額が3000万円(建築一式は4500万円)以上の工事には監理技術者、同未満の工事には主任技術者を配置することを規定。中でも請負金額が2500万円(建築一式は5000万円)以上の公共工事などには専任配置が必要となる。監理技術者、主任技術者になるには、学歴などに応じて一定の実務経験が求められている。

検討会では、現場の実態や業界からの要望事項などを踏まえ、制度の総点検を実施する。例えば、部材の工場生産が多い住宅事業では現行の技術者制度が生産性の向上を阻害しているとの意見があるほか、本来は元請が担う業務を実際は下請が行っているなど制度と現場の実態にかい離が生じているとの指摘もある。

現場に配置する監理・主任技術者の要件とされている「3カ月以上の直接的かつ恒常的な雇用関係」についても、期間短縮や、グループ企業間で技術者が移動する場合の要件緩和を求める意見がある。検討会は1年かけて議論をまとめ、その後も制度見直しのフォローアップを行う。

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