2014/10/01 品確法「基本方針」・入契法「適正化指針」が閣議決定/ダンピング対策強化、歩切りの根絶/国交省

国土交通省は30日、品確法(「公共工事の品質確保の促進に関する法律」)に基づく
基本方針及び、入契法(「改正公共工事入札契約適正化法」)に基づく適正化指針
改正版を閣議決定した。

基本方針では、①発注者責務の明確化、②多様な入札契約制度の導入・活用、
③受注者の責務に関する事項、④その他国として講ずべき施策が新たに追加。
改正前にはいっさい記載のなかったダンピング受注の防止や、
担い手の中長期的な育成及び確保を促進するための対策を講じることが明記された。


受注者の責務に関する事項では、受注者の公共工事の適正な実施や、適正な額の
請負代金での下請契約の締結、担い手育成・確保のための労働条件や労働環境、
適正賃金の改善に努めることが責務とされた。
国は、受注者におけるこれらの取組が適切に行われるよう、元請業者と下請業者の
契約適正化のための指導や、社会保険等への加入の徹底等の要請など必要な措置を
講ずる。
さらに、法令に違反して社会保険等に加入せず法定福利費を負担していない
建設業者については、公共工事からの排除及び当該建設業者への指導を徹底するとした。
①、②、④の改正ポイントは以下の通り。

発注者責務の明確化
    ・予定価格の適正な設定
    ・ダンピング受注の防止
    ・計画的な発注、適切な工期設定及び設計変更

多様な入札契約制度の導入・活用
    ・段階的選抜方式
    ・技術提案の審査及び価格等の交渉による方式(技術提案・交渉方式)
    ・地域における社会資本の維持管理に資する方式

その他国として講ずべき施策
    ・予定価格の適正な設定のための施策
    ・調査及び設計の品質確保のための施策
    ・発注者の支援のための施策


適正化指針での改正ポイントは大きく5つ。下図の通り。


①ダンピング対策の強化。
②歩切りの根絶。
③適切な契約変更の実施。
④社会保険等未加入業者の排除。
⑤談合防止策の強化。

なかでも、ダンピング対策の強化を一つの柱とし、
低入札価格調査制度又は最低制限価格制度の適切な活用を徹底。
ダンピング受注の排除を図る。
また、適正な積算に基づく設計書金額を予定価格とせず、
理由もなく金額を下げる「歩切り」については「品確法」に違反する旨を明記。
契約変更についても、追加工事又は変更工事が発生したにも関わらず、
書面による契約変更を行わないこと等は、「建設業法」に違反する旨を明記した。
さらに、法令に違反して社会保険等未加入業者は、
元請・下請関わらずに、公共工事からの排除を図ることが明示されている。

今後、国は入札価格調査制度等を未導入の地方公共団体に対して導入等を要請。
歩切りについては調査を実施。疑わしい地方公共団体等に説明聴取し、必要に応じて
個別発注者名を公表する。
発注事務の運用に関しての共通ルールとなる指針は、年内の策定を目指す。

(記載資料:国土交通省ホームページより引用。 http://www.mlit.go.jp/report/press/totikensangyo13_hh_000283.html

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