2015/01/19 太田昭宏国交相/設計労務単価、1月中の改定指示/技術者単価も見直し

【建設工業新聞 1月 19日 1面記事掲載】

太田昭宏国土交通相は、16日の閣議後の記者会見で、工事や調査・設計などを発注する際の積算に使う「公共工事設計労務単価」と「設計業務委託等技術者単価」を今月中に見直すよう指示したことを明らかにした。設計労務単価は13年4月と14年2月の2度にわたって大幅に引き上げている。太田国交相は「これまで人材や資材の状況をきめ細かく注視してきたが、公共事業の着実な執行に向け、さらに万全を期すことにした」と見直しの狙いを語った。

設計労務単価の見直しは、昨年10月に農林水産省と共同で技能労働者の賃金実態を調べた公共事業労務費調査の結果を反映させる。例年は4月に新しい単価を設定しているが、「効率的かつ円滑に事業を執行するために、(見直した単価を)明確に入れ込むことが望ましいと判断した」(太田国交相)という。月内に農水省や財務省など関係機関と調整した上で、技術者単価を含め新たな単価とその適用開始日などを決めることになる。

過去最大の上げ幅となった13年4月の設計労務単価の改定では、全職種・全国平均で12年度の単価に比べて15・1%、東日本大震災の被災3県(岩手、宮城、福島)は21・0%の上昇となった。技能労働者不足に伴う労働市場の実勢価格や、社会保険加入を徹底するために必要な法定福利費相当額を反映。改定後に太田国交相は、業界団体トップに技能労働者の賃金引き上げを直接要請している。

14年2月の見直しでは、さらに円滑な施工を確保する観点から、全国平均で7・1%、被災3県で8・4%の引き上げを行い、直轄事業で同1日以降の入札案件から適用。既契約工事もさかのぼって新単価を適用する特例措置を取り入れた。これら2度の引き上げを合わせた現在の設計労務単価は、12年度比で全国が23・2%上昇、被災3県が31・2%上昇となっている。

一方、建設コンサルタント、測量業、地質調査業を対象にした給与実態調査に基づき設定する技術者単価は、昨年2月の見直しで4・74%上昇した。上昇幅は21年ぶりの高水準で、労務単価と同様、14年2月1日以降に実施する入札から適用し、特例措置も講じた。

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