2015/01/20 全建会員/社会保険加入率、大都市圏で低調/民間工事受注の多さ要因

【建設工業新聞 1月 20日 2面記事掲載】

全国建設業協会(全建、近藤晴貞会長)は19日、昨年行った地域建設業の担い手確保・育成に関するアンケート結果の全容を明らかにした。民間工事の受注が多い会員企業が目立つ関東甲信越、近畿といった大都市圏の社会保険加入率が低いことが浮き彫りになっている。全建は、担い手の確保・育成についての行動指針を2月に決定。同日には、国が開いた「社会保険未加入対策推進協議会」で民間工事の社会保険加入への対応を表明しており、行動指針の中での位置付けが注目される。

アンケートは、全建傘下の土木380社、建築76社、土木・建築596社、その他12社が回答。約9割が従業員の賃金の引き上げに動き、下請企業との契約では約8割が労務単価を引き上げ済みまたは引き上げ予定と回答した。社会保険の加入率は、健康保険が1次下請93・4%、現場労働者82・8%、年金保険が1次下請92・5%、現場労働者81・0%、雇用保険が1次下請92・9%、現場労働者75・8%となっていた。

全建によると、現場労働者の加入率が最も低かった雇用保険では、地域ブロック別の加入率が▽中国93・7%▽北海道91・5%▽東北89・7%▽北陸87・6%▽四国86・6%▽東海78・2%▽九州69・8%▽関東甲信越66・5%▽近畿57・8%-の順で、90%前後の地域が半数を超えたが、東海、九州、関東甲信越、近畿は8割を下回った。

加入率は、民間工事の比率が高い会員が多いブロックほど低い傾向になっている。全建は行動指針に対応を位置付け、傘下の建設業協会、会員企業の対応を促す考えだ。社会保険未加入対策推進協議会でも、加入促進に向けては民間工事での対応が焦点の一つとなっており、行動指針を受けた会員の動きが活発化しそうだ。

日刊建設工業新聞の購読申し込みは、こちら

戻る