2015/10/01 社保未加入の1次下請排除/国交省並みは国の7機関/2県が完全排除

【建設工業新聞 10月 1日 1面記事掲載】

国土交通省は、発注工事からの社会保険未加入企業を排除する措置について、他府省庁や都道府県・政令市を対象とした調査結果をまとめた。国交省は今年8月1日からすべての工事で社会保険未加入の1次下請業者を排除しているが、同様の措置を講じている国関係の機関は農林水産省など7機関に上った。地方自治体でも福井、島根の2県が完全排除に踏み切っている。

調査は、中央公共工事契約制度運用連絡協議会(中央公契連)のメンバーである各府省庁や特殊法人など31機関、地方公共工事契約制度運用連絡協議会(地方公契連)を構成する47都道府県と20政令市を対象に8月1日時点の状況を調べた。

中央31機関のうち、未加入の元請業者を競争参加資格審査で排除しているのは29機関。うち27機関は定期の競争参加資格審査で排除していた。

地方では67機関のうち50機関(定期審査で排除は42機関)が実施。金額や工事種類を限定して未加入の元請業者を排除している団体も5機関あった。

一方、すべての工事で1次下請業者を加入企業に限定し、未加入企業の通報も実施しているのは、中央で▽国交省▽農水省▽最高裁判所▽鉄道建設・運輸施設整備支援機構▽東日本高速道路会社▽中日本高速道路会社▽本州四国連絡高速道路会社▽都市再生機構。通報は行っていないが全工事で排除している機関も5機関あった。

下請金額が3000万円(建築一式は4500万円)以上の案件で未加入の1次下請を排除しているのは計4機関。国交省なども7月末までは3000万円以上の工事に絞って実施しており、今後、完全排除に移行するとみられる。一方、13機関は調査時点で排除措置を実施しておらず、今後実施予定・検討中と回答した。

地方のうち、3000万円以上の案件で1次下請の排除措置を設けていたのは計13機関。未加入企業の通報だけを実施していたのは14機関、排除措置を実施予定・検討中としたのは37機関。

国交省並みの措置を行っていた福井県は6月から、島根県は4月から取り組んでいた。

昨年11月に公表した前回調査では、1次下請の未加入業者を排除していたのは予定を含め中央で11機関、地方で7機関。今回の調査結果では中央で17機関、地方で16機関となっている。国交省は「未加入の排除策は着実に進んでいる」(官房地方課)とみている。

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