2015/12/08 16年度予算/与党大綱・国交省関係/インフラ-賢く「投資」し「使う」を明記

【建設工業新聞 12月 08日 2面記事掲載】

◇業界の人材確保支援も
自民、公明の与党が近くまとめる16年度予算編成大綱の国土交通省関係部分の内容が判明した。戦略的・計画的な社会資本整備による民間企業の生産性向上と投資拡大を図るため、インフラに「賢く投資」し、インフラを「賢く使う」取り組みを促進。地域経済を支える建設、運輸、造船といった同省所管業界の人材確保・育成も支援する。ハード・ソフトの防災・減災対策とインフラ老朽化対策などによる国土強靱(きょうじん)化の推進も盛り込む。

大綱には、経済再生・財政再建・TPP(環太平洋経済連携協定)、1億総活躍・地方創生、暮らしの安全・安心といった柱を立て、目指す方向性と具体的な取り組み内容を列挙する。

この中で、安定的・持続的な公共投資による経済成長を図り、経済再生と財政健全化の双方を実現することを明記する。具体的には、3大都市圏の環状道路や空港・港湾などへのアクセス道路、都市鉄道ネットワーク、整備新幹線など高速交通ネットワークの整備、首都圏空港や国際コンテナ戦略港湾の機能強化を推進。加えて、PPP・PFIの推進、住宅・不動産市場の活性化、都市再生の推進、物流の効率化・円滑化などにも取り組む。

TPP大筋合意を受け、インフラシステムの海外展開を推進することも盛り込む予定。2020年東京五輪がパラリンピックと同時開催となることを踏まえ、公共交通機関や建築物、道路のバリアフリー化も推進する。

1億総活躍・地方創生の切り口では、子育てがしやすく、子どもから高齢者まで豊かに暮らせる生活環境を整備するため、コンパクトシティー形成、地域公共交通ネットワークの充実・再編、「小さな拠点」の形成と道の駅の活用、空き家対策、既存住宅ストックの流通促進、3世代同居・近居がしやすい環境づくりといった事業を進めることを盛り込む。

国土強靱化の取り組みでは、台風や豪雨で被害を受けた施設の復旧、河川などの緊急防災対策、火山や地震、台風などの観測・監視体制の強化に取り組む。南海トラフ巨大地震や首都直下地震に備えた道路啓開体制の構築、施設の耐震化、密集市街地の改善、道路の無電柱化も盛り込む。

自民党は8日、政調全体会議で大綱案について議論する予定。

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