2015/12/17 国交省/解体業許可の細目公表/省令・告示で技術者要件規定、16年6月から受付

【建設工業新聞 12月 17日 1面記事掲載】

国土交通省は16日、改正建設業法で新設した業種区分「解体工事」の技術要件などの細目を規定した改正施行規則(省令)や関係告示を公表した。施行規則では、解体工事業の一般建設業の営業所専任技術者や主任技術者になれる要件として、土木施工管理技士や建築施工管理技士の1級・2級、技術士(建設部門、総合技術監理部門)、とび技能士の1級・2級の合格者といった資格保有を規定。これらと別に登録技術検定として申請した資格が認められれば同等に扱うとしており、「解体工事施工技士」を対象に想定している。

改正法の施行日は16年6月1日。それ以降、新設許可区分の申請受け付けが始まる。登録技術検定の申請も施行日以降に受け付ける。

一般建設業の営業所専任技術者や主任技術者の要件では、各種資格のほか、解体工事業として一定の実務経験を積んだ場合も同等に扱う。もともと法律に規定してある実務経験を経るパターンもある。

特定建設業の営業所専任技術者と監理技術者の要件は、別途定めた告示に明記。土木と建築の1級施工管理技士や技術士の合格者、法律に規定する一定の実務経験を経た人が該当することになる。

今回の許可業種区分の新設に当たり国交省は、2021年3月までを経過措置期間として設定。その間は、既存のとび・土工工事業の技術者は、一般建設業の営業所専任技術者や主任技術者として認める。

土木施工技術検定と建築施工技術検定の1、2級の既存合格者について、国交相の登録を受けた講習の受講や解体工事に関する1年以上の実務経験があれば、解体工事の技術者として認める規定も設ける。

そのほか、「建設業許可申請書」「営業所一覧表」「専任技術者証明書」「国家資格者等・監理技術者一覧表」などの各種様式も、解体工事の許可区分追加に対応して変更した。

細目を規定した施行規則や告示により、解体工事業の許可を始めるのに必要な事項はすべて整った。許可取得後に申請することになる経営事項審査(経審)の取り扱い方法などは、別途告示を改正して年明け以降示す。

解体工事の一般建設業の営業所専任技術者、主任技術者の要件は次の通り。
(▲は特定建設業の営業所専任技術者、監理技術者)
▲1級土木施工管理技士
△2級土木施工管理技士(種別「土木」)
▲1級建築施工管理技士
△2級建築施工管理技士(種別「建築」または「躯体」)
▲技術士(技術部門「建設部門」または「総合技術監理部門〈建設〉」)
△とび技能士(1級または2級合格後に解体工事で3年以上の実務経験)
▲主任技術者としての要件を満たす者のうち、元請として4500万円以上の工事に関し2年以上の指導監督的な実務経験を有する者(法律規定事項)
△大卒(指定学科)3年以上、高卒(指定学科)5年以上、その他10年以上の実務経験(法律規定事項)
△土木工事業と解体工事業で12年以上の実務経験のうち、解体工事業で8年超の実務経験
△建築工事業と解体工事業で12年以上の実務経験のうち、解体工事業で8年超の実務経験
△とび・土工工事業と解体工事業で12年以上の実務経験のうち、解体工事業で8年超の実務経験
△登録技術試験(解体工事施工技士)。

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