2016/04/01 国交省/コンクリ生産性向上、要素技術一般化へ体制/各団体が事務局、設計指針に反映

【建設工業新聞 4月 1日 1面記事掲載】

国土交通省は、現場の生産性向上策として進める「i-Construction」の一環で設けたコンクリート生産性向上検討協議会(委員長・前川宏一東京大学大学院教授)の2回目の会合を3月31日に省内で開き、各種要素技術の一般化に向けた検討体制を固めた。要素技術ごとに事務局の業界団体を決め、関連団体や国交省などのメンバーで構成する既設組織を含めた委員会をそれぞれ設置。16、17年度に2段階で改定する土木構造物設計ガイドラインに検討成果を反映させていく。

検討体制では、コンクリート打設の効率化に向け、高・中流動コンクリートの事例収集や標準仕様例を踏まえた指針作りを行う委員会を、日本建設業連合会(日建連)を事務局に設置。委員長は橋本親典徳島大学教授が務める。

鉄筋の組み立て作業の効率化には、日建連を事務局に既設の機械式鉄筋定着工法技術検討委員会(委員長・久田真東北大学教授)が対応。新たに機械式継ぎ手も検討対象に加える。

現場作業の工場製作化や大型構造物へのプレキャスト(PCa)工法の適用については、プレストレスト・コンクリート建設業協会(PC建協)が事務局、睦好宏史埼玉大学教授が委員長となる検討委員会を設置。鉄筋のプレハブ化(サイトPCa)、柱・梁部材の分割、部材のPCa化といった要素技術ごとに検討チームをつくり、具体的な検討を進める。

その一環で、大型分割製品の規格化は、15年度に道路プレキャストコンクリート製品技術協会が発足させた道路プレキャストコンクリート工技術委員会(委員長・宮川豊章京都大学教授)が担当。ボックスカルバートの継ぎ手の性能評価やPCa製品の設計手法の構築などを検討する。

協議会では、こうした検討体制を確認するとともに、コンクリートの品質規定について検査のあり方などを議論。全体最適に向けた調達、製作、運搬、組み立てなど各工程の改善に向けた検討も進めていくことにした。

国交省は協議会で、PCa製品の設計条件明示要領(案)を同日付で作成したことも報告。側溝類、ボックスカルバート、L形擁壁に求められる要求性能を条件明示し、製造者の創意工夫の余地を残した形で標準化できるようにした。

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