2016/08/04 日建連/法定福利費の内訳明示が進展/会員8割が社保未加入者分も計上

【建設工業新聞 8月 4日 1面記事掲載】

◇2次以下の社保加入業者限定も進む

下請業者・労働者の社会保険加入に向けた元請業者の取り組みが活発化していることが、日本建設業連合会(日建連)の会員アンケートで明らかになった。回答企業の8割が未加入者分を含む法定福利費を計上した下請契約を行い、2次以下の下請を加入業者に限定する措置も8割が講じていた。ただ法定福利費が内訳明示された見積書の提出や、下位の下請企業・労働者の加入率には依然課題があり、新しい対策を検討する。 =2面に関連記事

調査は、技能者の人材確保・育成の提言(14年4月)に盛り込んだ取り組みのフォローアップとして、社会保険加入促進要綱や実施要領への対応を把握する目的で2月に実施。会員139社のうち89社が回答した。

下請から法定福利費内訳明示の見積書を受領したのは70社(79%)、法定福利費を必要経費として確保した契約を結んだのは79社(89%)。1次下請との契約書などで法定福利費を内訳明示している割合は、回答77社のうち28社(36%)が「91~100%」とした。51%以上としたのは半数を超す48社(61%)に達し、日建連は「元下契約で内訳明示がかなり進んだ」と見ている。

未加入者であっても加入に必要な法定福利費を含めて契約・支払いを行っているのは61社(69%)あり、加入率に従って精算している社を含めて70社(79%)が未加入者分を含む契約を実行中で、未加入者を内訳明示の対象としない13社(15%)を大きく上回った。

15年度から1次下請を加入業者に限定する措置では、59社(66%)が原則として全工事で加入業者に限定していたのをはじめ、合わせて86社(97%)が何らかの限定措置を講じており、未加入業者の排除が進んでいる。16年度から2次以下を加入業者に限定する措置については、調査時期が2月だったため、検討中が12社(13%)あったが、71社(80%)が実施する意向を示し、35社(39%)は原則として全工事をその対象に挙げた。

ほとんどの会員は社内に加入指導の周知を済ませており、71社(80%)が1次下請から見積もりを受領する際に内訳明示を指導。2次以下との再下請負契約でも1次を通じた指導が広がっている。1次からの見積書で内訳明示されていた割合は「91~100%」が22社(29%)。51%を超えたのは計42社(55%)で、内訳明示の見積もり受領は進みつつある。

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