2016/09/01 国交省/災害時の入札契約方式で指針作成/関係図書も整理、迅速な発注支援

【建設工業新聞 9月 1日 2面記事掲載】

国土交通省は、迅速な対応が求められる災害復旧工事の入札契約方式に関するガイドラインを作成する。被害状況や施工者側の状況などを踏まえつつ、発注者が短期間で適切に入札契約方式を選択できるようにするのが目的。同省直轄工事を対象に非常時の入札契約方式の基本的考え方を示す。発注者の負担を軽減し、速やかな復旧工事の発注につなげる。

災害対応を迅速に行うためには、簡易で早期に契約が可能な手法や、適用に当たっての工夫などを関係機関で共有することが求められる。短期間で多くの工事を発注することによる手続きミスの防止や、平常時と異なる施工者側の状況にも注意を払う必要がある。

国交省は8月31日に開いた「総合評価方式の活用・改善等による品質確保に関する懇談会」(座長・小澤一雅東大大学院教授)で、直轄の災害復旧工事を対象にした入札契約方式の適用ガイドラインのイメージを提示した。

復旧に当たっては、早期かつ確実な施工が可能な施工者を、現地の状況に応じて透明性・公正性などを確保しながら決める入札契約方式を選択する必要があると指摘。発注者が適切な方式を速やかに選択できるよう、各契約方式を適用する際の基本的な考え方や、過去の発注事例を関係図書とともに整理するとした。

具体的な構成として、▽発注者の責務▽入札契約方式選定の基本的考え方▽大規模災害での入札契約方式の適用事例▽各入札契約方式の概要と関係図書-などを想定。同省直轄工事が対象だが、地域発注者協議会などを通じて地方自治体にも情報提供する。

東日本大震災後の直轄工事では、11年3~5月に応急復旧で随意契約(約220件)、5~10月に本復旧で指名競争入札(約50件)を適用。9月以降の本復旧は一般競争入札(約190件)で発注されている。熊本地震では16年4~7月に応急復旧工事などで随意契約(約80件)、6月以降、本復旧工事で一般競争入札(約30件)を適用している。

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