2018/01/15 国交省/許可・経審電子申請化へ検討着手/有識者委で方向性や工程議論

【建設工業新聞 1月 15日 2面記事掲載】

国土交通省は18年度、建設業許可や経営事項審査(経審)の電子申請化に向けた検討に着手する。都道府県や申請企業の意見を把握した上で、新設する有識者委員会で申請事務の簡素化・電子化の方向性や今後の工程などを固める。電子申請化と併せて、工事経歴書などの企業情報をインターネットで公開する仕組みも検討。民間工事の発注者に向けた建設企業の情報提供につなげる考えだ。

建設業許可や経審の手続きは現在、書面で行われているため、準備や審査が申請企業、許可行政庁(地方整備局または都道府県)の双方にとって過大な負担になっている。書類作成などの負担を軽減し、企業と行政庁双方の働き方改革を実現する観点から、国交省は18年度予算案で建設業許可などの電子申請化に向けた調査・検討に関する経費として1400万円を新規に計上した。

具体的にはまず、都道府県や申請企業を対象に申請書類の簡素化・電子化に関する調査を実施。必要な審査精度を維持しつつ、簡素化できる書類や内容などを抽出する。有識者で構成する委員会を新たに立ち上げて、申請書類の簡素化・電子化の方向性を詰める。電子申請化に向けた今後の工程・スケジュールについても検討する予定だ。

許可や経審の申請書類などの簡素化・電子化は、10年後を見据えて建設産業政策の方向性を示した提言「建設産業政策2017+10」に盛り込まれた取り組みの一つ。書類の簡素化に当たっては必要な審査精度を保てるよう、提出書類に関する事後チェック体制の強化や虚偽申請発覚時の処分の厳格化などについて、併せて措置するよう明記されている。

2017+10では電子申請化の推進と併せて、工事経歴書や財務諸表といった許可申請時に提出する書類をインターネット上で公開することも提言されている。これを受け国交省は18年度に取り組む電子申請化に向けた調査・検討と情報公開の仕組みの構築とを連動させながら進める。民間工事の発注者に建設企業の情報を提供する環境づくりについて議論を深めていく。

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