2019/11/07 国交省/都道府県のCCUS利用促進取り組み状況/26団体が実施や検討中

【建設工業新聞 11月 6日 1面記事掲載】

都道府県で建設キャリアアップシステム(CCUS)の普及・利用促進に向けた取り組みが広がっていることが、国土交通省の調査で分かった。10月時点で26都府県が取り組みを「実施または検討」と回答。山梨、福岡両県は工事発注での加点評価を導入している。加点評価を検討しているのは7県。半数以上の団体が取り組みの実施に対する課題を「特になし」と答えている。

国交省は2019年度下期の「ブロック監理課長等会議」(入札契約担当課長会議)で、都道府県のCCUS普及・利用促進に関する取り組み状況を報告した。発注時の加点などの状況をみると、10月時点で▽加点評価を導入済み=2団体▽加点評価を検討中=7団体▽他の自治体の事例を研究=2団体▽加入動向をみて検討=2団体-となった。

導入済みの山梨県は、県土整備部発注の土木一式工事を対象に、CCUSの活用に取り組んでいる企業を評価する。総合評価方式の評価項目に「技能者の登録」を追加。入札に参加する事業者、雇用する技能者(人数は問わない)がCCUSに登録している場合、評価点を2点上乗せする。

福岡県は競争入札参加資格審査で、地域貢献活動の評価項目に「CCUS事業者登録」を追加。別項目の要件も満たしていると5点加点する。

利活用を検討中と答えたのは▽宮城▽栃木▽長野▽静岡▽熊本-の5県。非公表2県を加え計7県となる。宮城県はCCUSを活用した労働環境の改善や技能者の処遇改善を、総合評価方式の項目に加える方向で検討。栃木県はCCUSの導入企業を、同方式で「企業の先進的な取り組み」として評価することを検討している。

長野県はCCUSの事業者登録、雇用する技能者の個人登録を行った企業に対し、入札参加資格を付与する時(21・22年度資格付与時を予定)の主観点で加点する考え。さらにCCUSを現場で運用する企業に対し、同方式での加点評価も検討している。

静岡県は入札参加資格での加点評価、同方式での加点評価を検討。熊本県は入札参加資格で加点措置するなど、CCUS登録事業者の企業評価を検討している。

CCUSの普及・利用促進の状況をみると、10団体が取り組み実施、16団体は検討中と回答した。発注時の加点評価以外に研修会や説明会の開催、パンフレット・リーフレットの配布といった取り組みを実施している。課題についても25団体が「特になし」と答えており、先行する自治体の動きが好事例になって他の自治体に波及する効果が期待できそうだ。

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