2020/01/10 国交省/技能者の職種ごとに処遇目標設定へ/技能レベルに応じた年収の明示促す

【建設工業新聞  1月 10日 1面記事掲載】

国土交通省は建設技能者の処遇のさらなる改善を後押しする。建設キャリアアップシステム(CCUS)を活用して能力評価を実施する登録基幹技能者講習実施機関(35職種)に対し、職種ごとの処遇目標を年度内に設定してもらう。技能レベルに応じた年収を明確化することで、元請による請負価格の適正化、下請によるレベルに応じた賃金支払いといった好循環を生み出していく考えだ。

国交省は能力評価に応じた賃金の支払いと適正な請負価格の確保に向けて、能力評価実施団体に対し職種ごとの処遇目標を年度内に設定するよう要請。技能レベルに応じて目指す年収を示してもらう。

これによって▽技能レベルごとの年収の明確化▽下請が元請へ必要額を請求▽元請・発注者間での請負価格の適正化▽元請が下請からの見積もりを尊重した支払い▽雇用主である下請による給与の支払い▽技能者の賃金が上昇-といった好循環を生み出すことにより、処遇改善につなげてもらう考え。元請による適正な請負価格の支払いの実効性を担保していく狙いもある。

能力評価制度はCCUSにより客観的に把握できる経験、知識・技能、マネジメント能力での評価を基本に実施。▽レベル1=初級(見習い)技能者▽レベル2=中堅(一人前)技能者▽レベル3=職長として現場に従事できる技能者▽レベル4=高度なマネジメント能力を有する技能者(登録基幹技能者など)-の4段階で行う。

専門工事業団体など能力評価の実施機関が職種ごとに基準を策定し、国交大臣の認定を受けた後、能力評価の実施開始日や手数料などを示した実施規定を国に届け出る。基準と実施規定に基づき、能力評価を行うスキームだ。

国交省は登録基幹技能者講習実施機関(35職種)に対し年度内に基準案を取りまとめ、大臣認定の申請完了を要請。4種類のカードが技能者に行き渡る環境整備を進めている。これまでに計11職種の基準を認定した。

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