2020/02/21 国交省/建退共電子申請にCCUS活用/早期に原則化へ、証紙方式も履行強化

【建設工業新聞  2月 20日 1面記事掲載】

国土交通省は建設業退職金共済(建退共)制度に建設キャリアアップシステム(CCUS)を活用した電子申請方式を取り入れる。労働者の就業実績を漏れなく建退共退職金の掛け金充当につなげるため、電子申請方式の利用促進と履行強化を図る。できるだけ早期に、CCUSに蓄積された就業実績を掛け金充当に活用することを原則化する考えだ。=2面に公共発注での建退共履行強化策一覧

産学官で組織する「建設業社会保険推進・処遇改善連絡協議会」の第3回会合が18日に東京都内で開かれ、建退共の電子申請方式の促進策を提示した。現行の証紙・書面管理方式では技能者一人一人への証紙の確実な交付、貼付に限界があるとした上で電子申請化を提案。CCUSを活用した「完全電子方式」と、建退共のツールだけを用いる「一部電子方式」の二つの方式を示した。

公共工事の積算基準には建退共制度に基づく事業主負担額が現場管理費に含まれている。国交省は公共発注での当面の運用方針として、元請は発注ごとに証紙方式か電子方式(完全電子方式または一部電子方式)を選択し、二つの方式が混在しないようにする。掛け金の納付と充当の透明化を図る観点から証紙方式を継続する場合も、電子方式と同様に履行強化策を講じる。

建退共の委託事務に関して元請が著しく不適切に処理していることを、発注者が把握した場合、適宜指導を行う。必要に応じて許可行政庁に通知。許可行政庁は、指導・助言・勧告などの措置を講じるとした。

国交省は優秀な担い手確保の観点から公共工事、民間工事を問わず建退共制度のさらなる活用の推進と退職金の確実な支給の徹底を図る方針。建退共は掛け金納付の新方式として電子申請の導入を準備しており、CCUSとも連携予定となっている。

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