2020/06/16 国交省/技能レベルに応じた処遇実現へ/7職種が年収目安公表、職長手当て別枠計上

【建設工業新聞  6月 15日 1面記事掲載】

国土交通省は建設技能者の処遇改善をさらに後押しする。建設キャリアアップシステム(CCUS)を活用した能力評価を賃金上昇の好循環に結び付ける考え。職種ごとに技能レベルに応じた年収目安を設定し、職長クラスの手当てを計上できるよう標準見積書を改定する。年収設定した7職種を対象にワーキンググループ(WG)を設置。年度内にも改定するとともに、他の職種も年収目安の設定と改正作業の着手を目指す。=2面に7職種の賃金目安(年収)一覧と関連記事

国交省は能力評価に応じた賃金の支払いと適正な請負価格の確保を目的に、専門工事業団体など能力評価実施団体に対し職種ごとの賃金目安(年収ベース)を設定するよう要請。CCUSによる能力評価のうち▽レベル4=高度なマネジメント能力を有する技能者▽レベル3=職長として現場に従事できる技能者▽レベル2=中堅(一人前)技能者-の目標を設定する。

下請は技能者に対し、賃金目安に応じた適正な賃金を支払うための原資を見積価格に適正に反映。元請は下請の見積もりを尊重できる環境を整備する。自社雇用するレベル4・3の職長クラスのマネジメント能力(現場の管理・後進指導などに関する能力)を、元請・下請間の見積書に「マネジメントフィー」として適切に計上し、請負金額に反映させる。

業界全体でマネジメントフィーを見積書に職長手当てとして別枠計上することに取り組む。マネジメントフィーの確保に向け、職種ごとの標準見積書の改正やゼネコンが支給している職長手当ての在り方について検討する。

先行的に賃金目安を設定・公表した7職種を対象に「標準見積書改訂WG」を立ち上げる。国交省、元請団体、7職種の専門工事業団体などが参画し、具体的な検討に着手。年度内にも改定する。他の職種は先行7職種の取り組みを参考にしつつ、レベル別の賃金目安の設定と、標準見積書の改定作業着手を目指す。

賃金目安を設定・公表したのは▽型枠▽機械土工▽内装仕上げ▽建築大工▽トンネル▽圧接▽基礎ぐい工事-の7職種。

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