2020/07/20 政府/骨太方針・成長戦略実行計画など決定/社会資本整備のデジタル化推進

【建設工業新聞  7月 20日 2面記事掲載】

◇KPI設定し強靱化対策推進

政府は17日の臨時閣議で「経済財政運営と改革の基本方針2020(骨太の方針)」、20年度版成長戦略実行計画、規制改革実施計画を決定した。社会資本整備のデジタル化やスマート化を全国的に推進する。相次ぐ自然災害を踏まえ、国土強靱化に向けた取り組みも強化。「防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策」(18~20年度)後も重要業績指標(KPI)を設定し、計画的に取り組みを進める。=1面参照

骨太の方針では新型コロナウイルスの感染拡大で浮上したデジタル化への遅れに対し、全国的なデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進を明記。社会資本整備でもデジタル化とスマート化を原則とし、抜本的な生産性向上や予防保全による長寿命化などを通じてストックを適正化。適切な維持管理や受益者負担の観点から財源対策などを検討する。

20年7月豪雨を踏まえ、発生頻度が増加する自然災害に対し、国土強靱化の取り組みを強化。国民の生命・財産を守る施策の柱に据え、20年度末で終了する3か年緊急対策後も、強靱化基本計画に基づき必要・十分な予算を確保する。緊急防災・減災事業債なども地方自治体の取り組み状況などを踏まえ適切に検討。中長期的な視点で計画的に対策を推進するため、KPIを設定することも明記した。

成長戦略実行計画と規制改革実施計画には、インフラの維持・管理の効率化に向け、デジタル技術の社会実装に向け規制の見直しを進める方針を示した。建築基準法に基づく建築物の外壁調査やエレベーター点検でドローン(小型無人機)などの新技術活用の可能性を検証。現行の調査・点検方法と比べ同等またはそれ以上の精度で問題箇所を検出する性能が確認できれば、現行方法を規定する告示を新技術活用でも代替可能とするよう見直す。

政府は同日、第2期「まち・ひと・しごと創生総合戦略」(20~24年度)に基づく20年度基本方針も決定した。地方創生に向けた政策の方向性として、感染症克服と経済活性化を両立する。「新たな日常」に対応した地域経済の構築と東京一極集中の是正を推進。東京都内に拠点を持つ企業とも連携し、社員の地方移住や企業拠点の地方進出などを後押ししていく。

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