2020/07/22 日建連/CCUS推進モデル事業で調査結果/事業者登録、約半数の現場で8割以上達成

【建設工業新聞  7月 22日 1面記事掲載】

日本建設業連合会(日建連、山内隆司会長)は、建設キャリアアップシステム(CCUS)の推進に向け取り組む「日建連CCUS推進モデル事業」の調査結果をまとめた。会員企業61社の111現場のうち、事業者登録が49現場、技能者登録は38現場で8割以上の登録を達成した。国土交通省をはじめ公共発注機関の現場は登録率が高く、発注者による支援や位置付けの明確化がCCUS普及に必要だとしている。

日建連は2019年12月に日建連CCUS推進モデル事業現場として113現場を選定。内訳は国交省モデル工事が30、日建連独自のモデル現場が83。モデル現場で中止となった工事と竣工した工事2件を除く111現場を対象に半年時点の取り組み状況を調べた。

調査にはモデル事業に取り組む61社全社が回答した。事業者登録は72現場、技能者登録は52現場で6割以上の登録率を達成していた。先導役となるCCUS推進本部15社に限ると事業者登録、技能者登録ともさらに登録率が高かった。

登録手続きに対し、元請会社は「比較的スムーズだった」「手間はかかるができないことはない」との回答が合わせて8割に上る一方、下請会社は半数の4割にとどまる。「非常に苦労している」との回答は元請の3倍以上の6割近くに達し、手続きの煩雑さを訴える声は依然として根強い。

会員企業の協力会社は取り組みに積極的で、「建設業退職金共済(建退共)制度との連携で飛躍的に普及が進む」との見方がある。一方で、「メリットが見えない」「申請が面倒だ」などという理由で、2次以下の下請会社や小規模事業者、一人親方の登録に苦慮している実態が改めて浮き彫りになった。

国交省はCCUSの料金体系見直しに合わせ、技能者の登録方法の変更を検討している。本人情報と社会保険、建退共の項目だけを登録する「簡略型登録」、全項目を登録する「詳細型登録」の2段階方式を導入するプラン。日建連は手続きの簡素化につながると理解を示し、モデル事業の先行事例を基に下請企業のさらなる対応策を検討する。

日建連は引き続き、CCUS普及に力を入れる。取り組みの裾野を広げるため、新型コロナウイルスの流行を注視しモデル現場の見学会などを企画していく。

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