2020/08/20 技能者レベル判定-申請・発行件数伸び悩み/カード発行数はCCUS登録数の1割

【建設工業新聞  8月 20日 1面記事掲載】

建設キャリアアップシステム(CCUS)と連携して技能者のレベルを4段階に分ける「レベル判定システム」。4月1日に稼働し7月末時点で4572人が申請、うち3826人に対しレベルに応じた色のキャリアアップカードが発行された。登録基幹技能者に対する特例交付を含めレベル判定したカードの保有者数は約3万5000人となるが、CCUSの技能者登録数全体では約1割にとどまっているのが実情だ。

技能者の能力評価制度は、CCUSにより客観的に把握できる経験、知識・技能、マネジメント能力での評価を基本に、▽レベル1(カードの色・ホワイト)=初級(見習い)技能者▽レベル2(ブルー)=中堅(一人前)技能者▽レベル3(シルバー)=職長として現場に従事できる技能者▽レベル4(ゴールド)=高度なマネジメント能力を有する技能者(登録基幹技能者など)-の4段階で行う。

国土交通省が開発したレベル判定システムを共同で運営し維持管理などを行うため、能力評価実施機関(35職種・50団体)と建設産業専門団体連合会(建専連)で構成する「建設技能者能力評価制度推進協議会」(会長・才賀清二郎建専連会長)が4月1日に発足。レベル判定システムを稼働させた。

7月末時点で、3826人の技能者にキャリアアップカードが発行された。内訳は▽ブルー=1923人▽シルバー=1445人▽ゴールド=458人。ゴールドカードはこのほか、登録基幹技能者約7万人のうち、約3万1500人が取得している。レベル2~4のカード保有者は約3万5000人。だがCCUSの技能者登録数は7月末時点で32万4390人となっており、レベル2~4のカード保有率は約1割にとどまっている。

レベル判定の状況を月別に見ると、▽4月=申請2739人、カード2674人▽5月=779人、596人▽6月=449人、240人▽7月=605人、316人。判定が始まった4月をピークに、5~7月は伸び悩んでいるのが実態だ。

国交省は登録基幹技能者に対し、CCUSに登録申請するだけでゴールドカードを交付する特例措置を、9月末まで講じる。レベル3、2の職長・中堅クラスの技能者へのレベル判定も後押し。特別講習の受講者を対象に8月末まで、レベル判定費用3000円、カード更新費用1000円の計4000円を全額免除する。

CCUSに登録した技能者を対象に、新たな特別講習を秋にも実施する予定。受講者にはレベル判定の手数料を支援する。こうした取り組みを通じて、レベル判定システムをPRするとともに、CCUSの理解や利用につなげていく。

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