2020/10/07 応用地質ら/クラウド型貨物輸送監視システムを開発/GISとセンサーを併用

【建設工業新聞  10月 7日 3面記事掲載】

応用地質は計測機器メーカーの神栄テクノロジー(神戸市中央区、岸本勝代表取締役)と共同で、貨物輸送監視システムを開発した。物品の運搬状態を地理情報システム(GIS)や通信機能を備えた記録計で取得。スマートフォンに送信し常時監視を可能にする。記録データはクラウドサーバーに集約され、業務完了後に行う報告書を自動で作成する。専用端末が必要だった従来のシステムに比べ、低コストで済むという。

開発した輸送監視システムの名称は「Trec View Cloud」(トレック・ビュー・クラウド)。応用地質が開発した高機能GIS「MAGIS」(マジス)と神栄テクノロジーが販売する小型輸送記録計「トレック・ビュー」を組み合わせた。

搬送時の荷物に伝わる振動や衝撃、温湿度をトレック・ビューで記録しながら、GISを利用して運搬車両の位置情報を追跡する。異常が見つかった段階で運転席に設置したスマホを通じて警告する仕組みだ。搬送時の記録はすべてクラウドで管理。輸送終了後に求められる調査報告書も自動で作成可能という。

輸送監視システムは3軸加速度センサーや通信機能などで構成。単4電池2本で30日間連続駆動する。サイズは幅94ミリ、高さ38ミリ、奥行き29ミリ。重量は40グラムと小型で軽量な上、安価なのが特徴だ。11月に神栄テクノロジーが試験運用を行い、2021年1月に提供を開始する予定だ。

これまでの物流計測システムは、システム本体と専用通信端末の購入費用が高額だった。運用方法も複雑で、導入に二の足を踏む輸送会社も少なくなかった。

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