2020/11/26 安藤ハザマ、コベルコ建機/油圧ショベル自動運転へ実証実験実施/1人で2台操縦

【建設工業新聞  11月 26日 3面記事掲載】

安藤ハザマとコベルコ建機は、油圧ショベルの自動運転技術の確立に向けた実証実験を実施した。1人のオペレーターが油圧ショベルを手動で操縦しつつ、タブレット端末を使って別の無人の油圧ショベルも操作できることを確認した。無人の油圧ショベルは事前にプログラムされた動作を再現。さらに人工知能(AI)が土砂の積み込み先のトラックの大きさなどを認知・判断することで動作がより確実になった。

実証実験は茨城県つくば市にある安藤ハザマの技術研究所で実施した。今後は同社が施工する現場で自動運転技術を搭載した油圧ショベルを試行導入する予定だ。コベルコ建機は、20年代中頃以降に単純作業の自動運転ができる建機の一般販売を目指す。

実証実験ではオペレーターが油圧ショベルを使って手動で土砂を供給して土砂山を築く一方で、同時に無人の油圧ショベルをタブレット端末で操作。無人の油圧ショベルが土砂山の土砂を掘削してダンプトラックに積み込むまでの一連の動作を確認した。将来的な自動運転の監視や、施工状況の管理への活用を視野に、バケットつま先の3D軌跡もリアルタイムに計測した。

無人の油圧ショベルにはAIを搭載。AIがダンプトラックを認識し、その距離を測定するとともにその情報から目標位置を自動調整することで、プログラミング時点と多少状況が変化していたとしても対応できることを確認した。

2社は油圧ショベルの自動運転推進に向けた研究開発の促進を目的に2019年4月、共同研究の協定を締結した。コベルコ建機は主に自動運転の油圧ショベルシステム開発を、安藤ハザマは現場へ適用するための施工と安全に対する管理システム開発や現場運用ルール化を担当している。19年秋には安藤ハザマが施工中の国内ダム建設現場でタブレット端末を使ったティーチングとプレーバックによる油圧ショベルの単純な自動運転作業の実証実験を行った。

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