2021/01/22 国交省/多様な入契方式、適切に選定へ指針改正/フロー図や最新の知見反映へ

【建設工業新聞  1月 22日 1面記事掲載】

国土交通省は発注者が多様な入札契約方式から最適な方式を選択できるようにするガイドラインを改正する。工事の内容や条件に応じて方式を絞り込めるフロー図を明記。リスクマネジメント手法として技術提案・交渉方式を選択することを位置付ける。試行中のフレームワーク方式のほか、事業促進PPPなど新たな方式や最新の知見を取り込む。2021年度以降、ガイドラインに反映する。

国交省は公共工事品質確保促進法(公共工事品確法)の14年6月改正を踏まえ、多様な入札契約方式の導入、活用を図るため「公共工事の入札契約方式の適用に関するガイドライン」(適用指針)を15年5月に策定。多様な入札契約方式の適用や知見の蓄積が進んでいることを受け、事業の早い段階から適切な入札契約方式が選定されるよう、適用指針を初めて改正する。

新しい入札契約方式を含め、選定に当たっての基本的な考え方を整理。工事の性格や地域の実情に応じて、さまざまな方式の中から最適な方式を選定するためのフロー図を作成し、適用指針に明記する。

最も優れた技術提案を行った参加者と価格や施工方法などを交渉して契約相手を決定する「技術提案・交渉方式」を、直轄の20工事(完了含む)に適用している。自然条件や社会条件などさまざまな不確定要素(リスク)が大きい事業は、設計時から施工者が技術協力などで参画する同方式の適用がリスクマネジメントとして有効。適用指針に同方式をリスクマネジメント手法として位置付ける。

災害復旧などの入札契約手続きで試行している「フレームワーク方式」は、あらかじめ工事への参加希望の意思や施工能力を確認・審査して名簿を作成。この中から複数の参加者を指名する仕組み。適用指針に同方式(包括・個別発注方式)を新たに位置付ける。個別発注方式以外の方式が初めて盛り込まれる。

適用指針のほか▽国土交通省直轄工事における技術提案・交渉方式の運用ガイドライン(15年7月策定、17年12月・20年1月改正)▽災害復旧における入札契約方式の適用ガイドライン(17年7月策定)▽国土交通省直轄の事業促進PPPに関するガイドライン(19年3月策定)-と各種指針を整備。これら多様な入札契約方針に関する最新知見を適用指針に反映する。

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